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Black Engel and White Engels
魔法少女はじめました
エイブル・アーチャー1999
「その日、公園にて」
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私は、毅然とした顔で言い放った。

1900・東京都府中市
私は、ランチボックスに入れた狐をもって、府中駅からほど近い獣医のところまで持っていった。その獣医は、家から程近く、飼っているフェレット“ムンク”の主治医でもある。
「先生、います?」
そう言って私はドアを開けた。すると、中から白衣を着た先生が出てきた。
「おお、百合ちゃん。どうした?」
「公園で狐を保護したのですけど、見てもらえます?傷がそれほど酷くないので、石神井公園から連れてきたのですけど・・・」
そう言って、私は狐を先生に渡した。先生はその狐の外傷を確認すると、精密検査に入った。

「お代は今度、ムンクの検診の時に付けておくから安心しなさい。あと・・・精密検査には時間がかかるから、明日にでもいらっしゃい。きちんと手当しておくから。」
先生にそう言われ、私は謝辞を述べて病院をあとにした。

病院のすぐそこに、自宅はある。
「ただいま。」
私はそう言って自宅に入る。自宅ではパパと二人暮らしだが、今日、パパはいない。なんでも講演があるとかで、仙台にいる。今の東北における旧石器時だの発掘と、その発見率は異常だと言う内容らしい。私にはよくわからないけど・・・

「おかえり。」
家の中から声がして、私はびっくりした。びっくりして、恐る恐る家の中に入ると、キッチンで食事の用意をしているひとりの女の子が目に入った。

「百合ちゃん、今日おばさんのところに行くって言っていたし、おじさん仕事で仙台だって言っていたから、寂しんじゃないか思って、ね。」
そう言って、ウィンクを飛ばしたのは、私の幼稚舎からの友達、久瀬絵里ちゃんだった。
「絵里ちゃん、よくうちの鍵持っていたわね。」
「ん?パパが貸してくれた。百合ちゃんをと一緒にいなさいって。」

私は呆れたように言ってしまった。うちのパパと絵里ちゃんのパパは大学時代の同期で親友。そのため、絵里ちゃんとも幼稚舎より前から仲がよく、一緒の学校に行っていた。
昔は引っ込み思案だったけど、今では少し積極的になったと思う。

「で、これはママの手作り。」
そう言って、絵里ちゃんが差し出したのは、きんぴらごぼうだった。確かに、おばさまの作るきんぴらごぼうは絶品だ。
「でね、今日は泊まっても良いって!」
いつの間にか、絵里ちゃんはお泊まりの準備もしていたようだ。
頭が痛い・・・でも、まい、いいっか。

いつもママのところから帰ってきても私一人で寂しかったし。
それを察して、おじ様とおば様がそうしたのだろう。
「うん。そうだね。今日はゆっくりして言って。」
私はそう言うと、絵里ちゃんがしている夕食の準備を手伝うべく、キッチンの中に入った。

1999年2月14日・某所
我が国に存在しているのかと思うぐ
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