暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
1弾 空から女の子が
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 遠目にも分かる、長い、ピンクのツインテール。

 彼女は――――有明(ありあけ)の白い月をまたぐようにして、飛び降りた。

(――――飛び降りた!?)

 一瞬ペダルを踏み外しかけた俺は、慌ててチャリこぎに戻る。

 ウサギみたいにツインテールをなびかせて、虚空(こくう)に身を(おど)らせたその女子は――――

 ふぁさーっ。と。

 事前に屋上で滑空準備させてあったらしいパラグライダーを、空に広げていった。

 チャリをこぎつつその光景に目を丸くしていると、女の子はツインテールをなびかせ、あろうことか、こっちめがけて降下してくる!

「お、おい!バカ!こっちに来るな!この自転車には爆弾が――――」

 俺の忠告は間に合わない。少女の速度が意外なまでに速い。

 ぐりん。ブランコみたいに体を揺らしてL字に方向転換したかと思うと、右、左。少女は左右のふとももに着けたホルスターから、それぞれ銀と黒の大型拳銃(ガバメント)を2丁抜いた。

 そして――――

「ほらそこのバカ! さっさと頭を下げなさいよ!」

 バリバリバリッ!

 俺が頭を下げるより早く、問答無用でセグウェイを銃撃した!

 拳銃の平均交戦距離は、7mと言われている。だが、少女と敵の距離はその倍以上ある。しかも不安定なパラグライダーから、おまけに二丁拳銃の水平撃ち。

 これだけ不利な条件が(そろ)っていたにもかかわらず、彼女の(たま)は魔法のように次々と命中していく。反撃するヒマもなく、敵の銃座と車輪はバラバラにぶっ壊されていった。

 ――――うまい。

 なんつー射撃の腕だ。

 あんな奴、うちの学校にいたか?

 くるっ、くるくるっ。

 二丁拳銃を回してホルスターに収めた少女は、今度は、ひらり。

 スカートのオシリを振り子みたいにして、険しい表情のまま俺の頭上に飛んできた。

 そうだ、安心するのはまだ早い。向こうの事はどうでもいい。

 なぜならこっちには、ビルの解体にでも使えそうな爆薬が、現在進行形で()り付いてるんだからな!

 俺は少女から逃げるように、第二グラウンドへ入る。

「来るなー。来たら危ないぞー。この自転車は減速すると爆発するからなー。お前も巻き込まれるぞー」

 俺の忠告はもはや投げやりである。でもなー、このタイプの奴はどうせ言っても聞かないだろうからなー。

「バカっ!」

 案の定、俺の方にそのまま突っ込んできた彼女は……げしっ!

 白いスニーカーの足で、俺の脳天を力いっぱい踏みつけてきた。

武偵(ぶてい)憲章1条にあるでしょ! 『仲間を信じ、仲間を助けよ』――――いくわよ!」

 『人の頭を踏みつけるな
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