暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
1弾 空から女の子が
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
器用に走る、タイヤつきのカカシみたいな乗り物。

 こいつは確か……『セグウェイ』、だったか?前に(あや)と一緒に、解体(バラ)して遊んだ覚えがある。

 まあさすがに、UZIなんて物騒なものは搭載(とうさい)されてなかったが……て、おいちょっと待て。UZIってさすがにそれはやばいだろ。

 UZI。

 秒間10発の9ミリパラペラム弾をブッ(ぱな)す、イスラエルIMI社の短機関銃(サブマシンガン)。それが今、セグウェイの上にスピーカーと一緒に載っている銃座の、さらに上に載っかっている。しかも、ご丁寧に俺の方に銃口を向けて。

「 助けを 求めては いけません。 ケータイを 使用した場合も 爆発 しやがります 」

「……おいおい。さすがにこれはやばくないか」

 小声でツッコミを入れておく。何の意味も無いが、今は少しでも気を紛らわせたい。

 だが、セグウェイは相も変わらず、俺に銃口を向けながら併走してくるので、気を紛らわせるのは不可能っぽい。

 若干、頭がパニクった状態でチャリをまさぐると――――サドルの裏に、いつの間にか変な物が仕掛けられていた。慎重(しんちょう)に、指でなぞる。

 ――――やばい。自作(オリジナル)の爆弾なのか、(タイプ)までは分からないが、これはおそらくプラスチック爆弾だ。それもこの大きさ。自転車どころか自動車でも跡形もなく消しとばせるサイズだぞ。

 全身に悪寒(おかん)が走り、冷や汗が(にじ)む。

 ここまで来たら、さすがに認めるしかないな。こいつはたぶんイタズラじゃない。

 ハメられた。なんてこった。チャリを乗っ取られた。

 ――――世にも珍しい、チャリジャックじゃねえか!



 まったく、なんで俺がこんな目に。

 ――――俺は万一に備え、とにかく人気(ひとけ)のない場所を探して走り、第2グラウンドへと向かった。

 金網越しに見た朝の第2グラウンドには、いつも通り(だれ)もいない。

 俺は仕方なしに、その入り口めがけてチャリをこぐ。

 セグウェイは相変わらず、銃を向けながら併走してくる。

 というか今更気づいたが、この手口、白雪(しらゆき)が言ってた<武偵殺(ぶていごろ)し>の模倣犯(もほうはん)じゃねえか。

 さて、どうしたんもんかな。

 ここに来るまでに考えたが、手段は一つしか思い浮かばなかった。

 仕方ない、アレをやるか。

「――――?」

 その時だった。俺はこのありえない状況の中、さらにありえないものを見た。

 グラウンドの近くにある7階建てのマンション――――たしか、女子寮――――の屋上の(ふち)に、女の子が立っていたのだ。

 武偵校(ぶていこう)のセーラー服
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ