デート
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ッドにダイブした。
「風呂は……明日の朝入ればいいかー」
それだけ言うと響は意識を手放した。
夜。
満点の星空の下に響はたたずんでいた。
だが不思議なことに、星が煌いているのは空だけではなく地上もだった。
「なんだこりゃ? どうなってやがる?」
呟く響だが次の瞬間、自分がどのようなところにいるのか理解した。
「水面? 私が立ってるのは水面なのか……」
そう、響がたたずんでいるのは鏡のようになっている水面の上だった。鏡のようになっているため、空の月や星達が反射して地上にも星があるように見えたのだ。
「いやそれよりも……ホント何処だよここ。さっきまで絶対ベッドの上にいたはずなのに……」
辺りを見回すがただただ、夜空と水面が続いているだけだ。もはや何処が地平線なのかわからなくなってくるようだ。
「おーい! 誰かいねーのかー!!」
大声を張り上げてみるものの、それに答えるものはいない。
「無人かよ……仕方ねぇ少し探して――」
そこまで言った所で、響の頭に声が聞こえた。
『あなたはもっと強くなりたい?』
「あん? 誰だ?」
声は女性の声だった。少し大人っぽいイメージの落ち着いた声だった。そして声はさらに続ける。
『力を望むなら、私は貴女に力をあげる。だけど知っておいて、貴女の力を利用しようとしてる人がいることを』
「いやだから誰だよお前……なんで姿が見えない?」
『そう……私はまだ貴女に見えていないのね。でもそのうち会えるからまた今度ね』
少し残念そうな声でその声は告げた。
「また今度ってどういう……ぐっ……!」
響はまた闇に意識を奪われはじめる。
『おやすみなさい。……マイマスター』
かすれてゆく意識の中で、最後にそんな声が聞こえたような気がした。
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