例えばこんな夏祭りはいい思い出になっただろ
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うんだよなー」
「じゃあ何なんだ?」
「うーん・・・人の感情や好感度を加点方式じゃなくて減点方式で捉えてるんじゃないかと私は予想するね!」
「その例えじゃさっぱりわからん」
この職場一お喋りで人間の心理をさもすべてわかっているかのように喋るこの女は、残念ながら私を遙かに超えたコミュニケーション力と読心力を持っている。なので感情を良く知るにはどうしてもこの女の言葉に耳を傾ける必要があるのだ。
「簡単に言えば・・・その人の機嫌をもっと良くしようとするんでなく、これ以上悪くすまいと考えてるのよ。ほら、彼が行動力を発揮するときって必ず誰かが困ったり悲しんでなかった?」
「・・・アリーナの一件ではゴーレム、シャルの一件ではそのまんまシャル本人、福音では私・・・そういえば篠ノ之からの相談に乗る時もいつもとは少し雰囲気が違ったか?」
「な?心当たりあるだろ?」
なるほど、色ボケも偶には役に立つ。すなわち真田は他人の哀しい顔や困った顔を見たくないと。・・・三文小説の主人公みたいな思想だな。だが言われてみれば何だか妙に納得してしまう。あいつはお人よしが過ぎる、と言うのは他ならぬ私自身の言った言葉だ。逆を言えば特定の誰かに入れ込むことはまずない訳か。オウカがどうかは知らないが。
・・・そういえば。あいつはISと話している時は他のどの時よりも楽しそうな顔をしてたような。
「あいつ実は人間よりISコアの方が好きなんじゃないか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
否定材料はないようだ。何にせよ篠ノ之の最大の敵はISと言うことが解ったのでとっとと引継ぎを終らせることにした。途中学内恋愛について矢鱈聞かれたんで織斑の事を適当に話しておいた。心の底から楽しそうだなコイツ。S.A.を引退したらきっとパパラッチになるんだろう。
「・・・ジェーンまた胸おっきくなった?」
「お前言ってることがスケベ親父そのものだぞ?」
「で?で?実際のことろブラは何カップな訳?ん?」
「うぜぇ」
最近Hカップになったよ。邪魔でしょうがないからデュノア社製のサラシ捲いてるけど。
引き継ぎ作業が終わり、いい加減な会釈をして部屋を後にするジェーン。
「・・・ゴエモン・サナダの行動パターンは確かにそれだが、それと行動原理は別のものだ」
扉が閉まり、足音が遠のいたことを確認したトラッシュは一人呟く。彼女の持ってきた書類には数枚ジェーンに見せていない・・・まだ見せるべきではないと意図的に抜いたものが存在する。
真田悟衛門の、誰にも知られたくない隠し事。それが彼の行動や心情に大きな楔を打ち込んでいる。内容が内容なだけにまだ感情のかの字を学びだしたばかりのジェーンに知らせるのは早いと判断したトラッシュは、その書類をこっそり粉砕して
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