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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十六話:ラインハット城の中庭で
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着て、ガッチリ装備固めてるんですが。
「もっちろん!あ、服のこと?そんなもんで、おいらの目と嗅覚は誤魔化されないよ!大丈夫、並のヤツらなら気付かないと思うよ!」
え、嗅覚?
においでも判断されてるの?
まあ、
獣
(
けもの
)
なら普通か。たぶん。
「うーん。なら、お試しで。試しに連れて行って、いい子に出来なかったらやっぱりお別れってことで。それでもいい?」
「やった!うん、絶対いい子にするから!それで、大丈夫!」
「みんなも、いい?」
強硬に反対されたら、押し通すのも気が引けるけど。
こんなに言われたら、できれば連れて行ってあげたい。
「ドーラ様が、それをお望みならば。拙者に
否
(
いや
)
はござりませぬ」
「ピキー!」
「……お前が、連れて行きたいんだな?」
「うん。とりあえずだけど」
「なら、いいんじゃねえか。連れてっても」
「やった!話せるじゃん、にーさんたちも!んじゃ、よろしく!おいら、コドラン!おねーさんたちは?」
「私は、ドーラ。そっちはヘンリーにスラリン、ピエールとスラ風号」
「ドーラちゃんかー!いい名前だね!おいらと、ちょっと似てるし!気が合いそうだね、おいらたち!にーさんたちも、適当によろしくな!」
言い終わると同時にまた私に飛び付いてこようとするコドランを、すかさずヘンリーとピエールが阻みます。
スラリンはもう気を許したのか、すっかり無警戒です。
「なんでだよ!いーだろ!仲間になったんだから!」
「いいわけあるか」
「不埒な考えを持ってドーラ様に近付くなど、不届き千万。異種族とて何でも許されると思うな」
うーん。
飛び付いてきてくれるなら、むしろ大喜びで迎え入れたいんですけど。
そんなこと言ったら話がこじれそう。
ていうか飛び付かれたところで所詮、鎧越しなんですけど。
ダメなのか、それすら。
「おいらドラゴンだぞ!しかも、子供だぞ!男の嫉妬は、見苦しいぞ!」
「子供がそんな主張するか」
「幾つであろうとも、
男
(
おのこ
)
は男。見苦しいのはそちらにござる」
「はい、そこまで。そんな話はあとにしよう。コドラン、細かいことは置いといて。今は、みんなの言う通りにして。用が済んだら、少しは遊んであげるから」
「ホント!?わかった!おいら、いい子にする!約束だよ、ドーラちゃん!」
「ちゃんといい子にしてたらね」
そんなわけで。
予定外の場所で、予定外の子が、仲間になってしまいました。
良い子のスラリンと大人のピエールに対して、随分と毛色の違う感じですが。
……まあ。
すぐ、慣れるだろう。
たぶん。
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