早く会わねぇと
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任務先に着くとまずは現地の探索部隊に通信を試みたが誰からの応答もなかった。
こりゃめんどくせぇなと嘆息する神田の目の前に一人の探索部隊が現れた。
「お初にかかりますエクソシト様。今回貴方様と同行する探索部隊のイーラでございます。よろしくお願いします」
「何故俺の通信に応答しなかった?お前一人だけか?」
「はい、それが…」
イーラの話によれば町の外れにある森に言葉を操る樹がありそれがイノセンスを宿しているようだった。そして他の探索部隊はそのイノセンスの調査中、突然現れたAKUMAに殺られたらしい。その時に彼女の通信機器が破壊されたらしく、また彼女自身も額や腕にいくつかの傷を負っていた。
「そうか、…よろしく頼む」
「はい、宿はこちらとなります」
宿に着いた後、夜までの間町の住人に聞き込みをするかと思い神田は町の酒場に足を向けた。
(…アイツには声をかけないでおくか)
もともと単独で行動することが多かった彼は一人で聞き込みを行った。
夜になり宿を出発した2人は喋る樹があるという森に足を踏み入れた。
イーラを先頭に迷いもなく進んでいく。
ピョコピョコと揺れる頭を見ながら神田は町人の言葉を思い出していた。
“あそこはある時から迷いの森と呼ばれ足を踏み入れたら最後誰も帰ってきた例がないよ。だからみんな近寄ろうとしないよ。旅人さんも気をつけな”
ある時からという言葉に神田はイノセンスだなと見当をつけた。
(しかしどうしてコイツは躊躇いもなく進んでいけるんだ?まさかもうイノセンスがここにはねぇとか…どうもイヤな予感がするぜ…。まあ、外れてくれればいいがな)
神田が思案しているとふと先ほどまで揺れていた頭が止まった。
「?…オイ、どうしたんだ?」
「着きました」
彼女の指が指し示すそこには、なるほど確かに他とは異なる一本の樹があった。神田はイーラを後ろに待機させ目の前の樹と対峙する。
「オイ、お前が言葉を操る樹か?」
「……ああ、そうだ。待っていたぞ、エクソシトよ」
樹が言葉を発する度にガサガサと葉音を立てた。
「どういうことだ?」
「ここがある時から迷いの森と呼ばれているのは知っておるか」
「ああ」
「理由は簡単。我らAKUMAがこの地に腰を据えたからだ」
すると周りの三本の木が次々とAKUMAに転換した。
「ホントに来やがった。久々のエクソシトだ!」
「これは楽しめそうだな」
AKUMA達が喚き出す。
「チッ、そう言うことかよ。一つ質問だ。後ろにいるコイツもAKUMAってことか?」
後ろに控えさせていたイーラに目を向けるとそこには虚ろな表情の彼女がおり、彼女の耳から禍々しい蟲
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