暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
37話:衝突の果てに
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にも、プロトWは距離を詰めていく。
「逃げるんだったらアンタも一緒よ!アンタ一人置いていける訳―――」
「いいから言う事聞きやがれ!!」
反論するアリサの言葉にかぶせるように叫ぶ。それを聞いた二人は、体をびくつかせる。
だが叫んだのが体に響いたのか、士は膝を地面につけてしまう。アリサとすずかはそれを見て、慌てて士の体を支える。
「……私達が逃げたら、アンタはどうすんのよ…」
「はぁ…はぁ……なんとか、してみせるさ…」
「ふざけないでよ!そんな体で何ができるかぐらいの常識は、持ってるつもりよ!」
アリサはそういうと、士の肩を支える為に士の腕を自分の首の後ろに回す。
「いい加減にしろ…どこまで俺を苛つかせれば気が済むんだ、貴様らは…」
だが、プロトWはすでに間近まで迫っていた。
それを見たアリサは、意を決したような顔をして担いだ士の腕を下ろし、士とすずかの前に出て、両手を広げる。
「……なんのつもりだ、貴様…」
「アリ、サ…逃げろぉ……」
「ふざけんじゃないわよ……友達がこんなにボロボロになってるのに…見捨てられる訳ないでしょ!!」
「…アリサちゃん……」
前に立つアリサの目には、涙が溜まっていた。すずかもアリサの名前を呟くと、士を支える為に肩に添えている手に力を込める。放さないと言わんばかりに。
「…目障りだ……まずは貴様から、始末してやる…」
そう言ってプロトWは左手で手刀を作り、振りかぶる。
その光景を見たアリサは目をつぶり、すずかも顔を背けて目をつぶる。
(また、守れないのか……くそぉ…!)
士は地面につける手を握りしめ、奥歯を軋ませる。
そしてプロトWの手がアリサに向け振り下ろされる瞬間―――
「ディバイィィィン、バスターーー!!」
「プラズマスマッシャーーー!!」
聞こえてきたのはまた別の声。そして視界に入ったのは桃色と黄色の光。
「なっ―――」
二色の光はプロトWを包み込み、その姿をかき消した。
目をつぶっていた二人はゆっくり目を開けて、状況を確認する。士はすぐに二色の光がやってきた方向へ顔を向ける。
そこにはデバイスの先をこちらに向けた白服の少女―――なのはと、手の平をこちらに向けた金髪の少女―――フェイトが佇んでいた。
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