安息とはいったい何か
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でもないだろう。」
店主の安堵のため息が聞こえた。
「くっくっく。何やら、面白い事になっとったようじゃの。」
それに反応した隣のやつが、何かを察したようで笑い声が聞こえた。
その声に反応し、俺はふと首を横に向ける。
――――――目に付くは、草一本生えていない平野。
「ピクしス司令官っっ!?」
「ん?」と、鋭い目が片方開いてこちらを見抜いた。
な、な、な…何故……だ。なんで、何故…司令官がここにいるんだ…。ツルツルの頭を見ながら、本当に本人か確認する。…開いた口がふさがらないとは、まさしくこの事だろう。
いやいや、確かにここは公共道路のふちにある公共の屋台だから、司令官が居ておかしなところはない訳ではありますが、え、え、え。だ、だが、何故俺が居る所へ来られたしって感じでありまして。あ、あ、もうだめだ。何故だか思考が急速停止☆……うん、もう自分を傷つけるのはやめよう。
とにかく司令官を見てスルーと言う訳にもいかない。
俺は、ダンッッッ!!と、慌てて胸に手をあてて敬礼した。
「!?………!??」
店主の「え、何で!?何でここで敬礼!?」という心の声が聞こえたが、かまわず敬礼し続ける。ここで敬礼をやめれば最悪、不敬罪になるのだ。店主の困惑如きでやめられるわけも無い。まぁ、司令官はそんな馬鹿な真似はしないだろうが。
「ん?………君は…。…ここで敬礼しなくても良いんじゃぞ。」
「はっ!」
「これ、そんな所に突っ立ってないと、座らんか。」
「はっ!」
「……えーと…。んん?」
とりあえず、何故司令官がここにいるかという疑問はあるが、先に未だ可哀想なほど困惑している店主に軽く説明するか。
「店主。俺は兵士で、この方が―――むぐ。」
司令官だ、と言おうとしたら口を押さえられた。
「ここで自分の立場を言うと、面倒な事になるんじゃ。ここでワシの立場は黙っててくれんか。」
コソッと耳元で彼が凄む。なぜか背中に悪寒がはしって、俺はコクコクとうなずいた。その答えに満足したのか、口から手がはなれる。
「で、つまりあの敬礼の意味は何なんだ……?」
「ん…えーと………。」
さて、このような場合、どう言ったもんか……………。
「友人だ。」
…………………あ?
「いやはや、彼は昔からの友でのぅ。」
「え、でも兵士って聞こえたんだが?」
「あっはっは。彼の迫真の演技じゃ。昔、兵士と司令官で演技をしたことがあっての。久しぶりに会った友人を、笑わせようとしてくれた彼なりの不器用な冗談じゃろう。」
「な、なんだ。そうゆう事かい。ふー。つい爺さんがどこかのすごーく偉い人だと思ってしまったじゃないか。まったく、心臓に悪い冗談だよ。」
「ほっほっほ。おい
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