第75話 少年は運命と出会うようです
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ロナおばさん、僕です。ネギです。
……あれから6年も経つのに、あなたはあの時のままなんですね。」
目の前に広がる、石像、石像、石像。しかし、そのどれもが見た事のある顔をしている。
・・・僕の、本当の故郷。あの雪の夜、悪魔達に石化させられそのままになった、村の人達。
「おじいちゃんとおばさんが助けてくれなかったら、僕も皆と一緒に………。
あなた達のお陰で、僕は、今ここに居ます。今日はその報告と………謝罪に来ました。」
謝罪は、心の中だけで。『あなた達の仇の悪魔を目の前にしながらも、何もできませんでした』と。
「ネギよ、今日お前にここを見せたのは一歩前に進めるようにと願ってだ。
決してお前の小さな背に、重荷を背負わせようなどとは………。」
「分かっています。この半年で、一人で出来る事は本当に少ないと散々思い知ってきましたから。」
「なーに分かったような事言ってんの!結局一人で来てんじゃないのよ!」
「あ、アーニャ!?それに、皆さんも……。」
報告も終わり帰ろうかと思った時、アーニャが皆を連れて階段を下りて来た。
・・・こんな場所を見せるなんて何のつもりなんだ。
「何よ、皆協力してくれてんじゃない。あんたの目的?ってのを見る権利あるわよ。」
「ネギ、これが…………ネギの?」
「……はい、僕の村の人達です。」
「あーもー!相変わらず辛気臭いとこねぇ!ポーズ取ってるのネットで売れば儲かるんじゃないのー?
あ、ホラ明日菜。このオジサンなんてどうよ、好みじゃない?」
「た、確かにカッコい……って、ちょっとアーニャちゃん、不謹し―――ね、ネギ?」
そんな事を言いつつ、トコトコと奥へ歩いて行くアーニャ。
文句を言いに行こうとする明日菜さんの袖を掴み、止める。・・・その先に居るのは―――
「…………あの石像、アーニャのお母さんです。」
「え……!?そ、そっか、アーニャちゃんも………。」
「僕よりも先に、校長先生に教えて貰ってたらしいです。それで、ここに来てはああやっていたそうです。
……校長先生、ありがとうございました。僕達はそろそろ戻ります。」
「そうか。では、今夜遅れんようにな。」
それだけ言って、校長先生は階段を上って行った。僕達も少しして階段を上って村に戻る。
皆で暫時の宿舎である僕達の家へ歩いて帰っているんだけれど・・・どうも、皆沈んでいる。
嫌だなぁ、こうなると思ったから見せたくなかったのに。
「……あんた、大丈夫なの?その、今更だけどさ。村の皆があんな事になって………。」
「大丈夫です!………って、言えたら良いんですけれど。アハハ、
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