第一章 護れなかった少年
第十三話 第一層ボス戦前
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イヤーは調子に乗るな、ってことかな? もしくは......」
βテスターは調子に乗るな、かな?
キリトにぎりぎり聞こえるぐらいの小さな声で言う。ちなみに『聞き耳』スキル、と言う物があるが、おそらく、この序盤でそんな物を取っている余裕は無いだろう。
「それは俺も考えた。だが、アルゴが――え?」
キリトが途中から去って行くキバオウさんの背中を見て、言葉を中断する。
......何か気づいたのかな?
「どうしたの、キリト」
「い、嫌、何でも――」
と、その瞬間、ディアベルさんの声が響いた。
「みんな、いきなりだけど......ありがとう!!たった今、全パーティー四十六名が、一人も欠けずに集まった!!」
途端、うおおっという歓声が広場を揺らし、次いで、滝のような拍手。
しょうがなく、僕もキリトも一旦話を終わらせて、拍手する。
そして一同を笑顔でみ回してから、ディアベルさんは、グッと右拳を突き出し更に叫んだ。
「今だから言うけど、オレ実は一人でも欠けてたら今日は作戦を中止にしようと思ってたんだ。でも......そんな心配、みんなへの侮辱だったな!オレ......すげー嬉しいよ!こんな最高のレイド組めて......ま、人数は上限にちょっと足りないけどさ!!」
笑う人や口笛を鳴らす人、同じように手を突き出す人。
ディアベルさんのリーダーシップの凄さを改めて実感する......が、ちょっと盛り上げ過ぎな気がするけど......。まぁ、おそらくそんなことはディアベルさんも考えてると思うので、置いておく。
そしてみんながひとしきり喚いたところで、ディアベルさんは両手を掲げ、歓声を抑えた。
「みんな、もうオレから言うことはたった一つだ」
そして、右手で左腰の剣の柄を握り、音高く抜きはなつディアベルさん。
「......勝とうぜ!!」
わき起こった巨大な鬨の声で、僕は改めてこれからボス戦だと、気を引き締めることになった。
―☆―☆―☆―
午前十一時、迷宮区到着。
午後十二時半、最上階踏破。
ここまで死者が出なかったことに一安心。
数回ちょっとしたピンチもあったが、全て、ディアベルさんの指揮能力によって、的確に、冷静に対処していた。
......まぁ、本番はここからなんだけど。
ちなみに道中僕とネオンは一言も言葉を交わしていない。
理由としては一つ。緊張だ。
流石に、自分から進んで命がけの戦いをするのは初めてだからね。
「......ねえ......」
「ん?」
と、ここで、ネオンが口を開いた。
「......今日、勝てると思う?」
......ふむ。
「五分五分だろうね。このメンバー
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