月は出ているか
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」
「う・・・」
村人の何人かは変わり果てた自分の姿を見て泣き出してしまう。
そりゃそうだろう。先ほどまで、一部は違えど人間だったのだ。
それが突然このような悪魔の姿になってしまったら・・・誰だって泣きたくなる。
「朝になれば皆・・・元の姿に戻ります。しかし・・・中には戻れず、心まで失ってしまう者が出てきたのです」
「そんな・・・」
「心を失い魔物と化してしまった者は殺す事に決めたのです」
「えぇっ!?」
「元に戻るかもしれねぇのにか!?」
「殺す」という言葉にルーとナツが驚愕する。
「放っておけば皆がその魔物に殺される・・・ほが。幽閉しても牢などを壊してしまうのです」
そう言ってモカは1枚の写真を取り出す。
「だから・・・ワシも息子を殺しました・・・心まで悪魔になってしまった息子を・・・」
その写真に写っていたのは・・・ナツ達をガルナ島近くまで連れて行ってくれた船乗り・・・ボボだった。
「え!?」
「その人・・・えぇ!?でも・・・あたし達、昨日・・・」
「しっ」
ルーシィが何か言う前にグレイが止める。
「ようやく消えちまった理由が解った。そりゃあ・・・浮かばれねぇわな」
「幽霊」・・・。
その言葉が全員の頭の中をよぎった。
「さぞ高名な魔導士方とお見受けします。どうかこの島を救ってください・・・」
モカが頭を下げ、つられるように後ろにいた村人たちも頭を下げる。
「このままでは全員・・・心が奪われ・・・悪魔に・・・」
「そんな事にはならねぇっ!」
「僕達が絶対絶対何とかするっ!」
泣きながら頼み込むモカを見て、ナツとルーが声を張り上げる。
「私達の呪いを解く方法は1つ・・・」
モカはそこで一呼吸置いた。
「月を破壊してください」
「「「「「え!?」」」」」
ナツ達は、全員同時に声を上げたのだった。
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