月は出ているか
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他の村人より前に出てきているのは、ここの村長である『モカ』。
村人は全員身体全体を覆い隠すローブを身に着けていた。
「早速ですが、これを見て頂きたい。皆の者、布を取りなさい」
モカがそう言うと、村人全員がローブを脱ぎ捨てる。
そこには消えたボボ同様、身体の一部が異形な形になっている村人たちの姿があった。
それはモカのような老人からルーシィ達と歳の変わらなさそうな若者、それより年下の子供にも同じ現象が起こっていた。
「やはり・・・」
予想通りの光景にグレイが呟き、ルーシィが唾を飲み込む。
「スゲェモミアゲ!」
「ヘチマみたいになってるよ!」
「いや・・・見てほしいのはこっちじゃ・・・ほが・・・」
ここに来て見てほしいのはモミアゲ、なんて事はないだろう。
「驚かれましたかな?ほがほが。この島にいる者全て・・・犬や鳥まで例外なく、このような呪いにかかっております。ほが」
「言葉を返すようだが、何を根拠に『呪い』だと?」
「確かに・・・はやり病かなんかとは考えないの?」
「何十人という医者に見てもらいましたが、このような病気はないとの事です。ほが」
疑問に思ったグレイとルーが言うが、モカはそれを否定する。
「それに・・・こんな姿になってしまったのは『月の魔力』が関係しておるのです」
「月の魔力?」
ルーシィが首を傾げる。
「元々この島は古代からの月の光を蓄積し、島全体が月のように輝く美しい島でした。しかし、何年か前に突然月の光が紫色に変わり始めたのです」
「紫!?」
「そんな月見た事ないよ」
「うん」
初めて聞く月の色にナツ達は驚く。
「外から来た者は皆そう言うのです・・・ほがほが。だが・・・現にこの島の月は紫になった・・・そして紫の月が現れてから、ワシ等の姿が変わり出した」
モカがそう語っている間に日が暮れはじめ、空に月が出る。
「月が出てきた!」
「本当だ、紫・・・」
「気味悪ィな、コイツは・・・」
「これは月の魔力の呪いなのです」
モカがそう言った瞬間、カッとモカの身体に異変が起こる。
モカだけではない、後ろにいた村人達にも異変が起こり始めた。
「うっ!うう〜!」
「おおおおお・・・」
「え?な、何!?やだ・・・どうしちゃったの!?」
そして呻き声が止むと、そこに先ほどまでの村人たちはいなかった。
村人は全員・・・悪魔のような姿に変貌していたのだ。
それを見たナツ達は目を見開いて驚く。
「驚かして申し訳ない・・・紫の月が出ている間、ワシ等はこのような醜い悪魔の姿へと変わってしまう。これを呪いと言わず・・・何と言えばよいのでしょうか?」
「ひっく・・・ひっく・・・」
「大丈夫・・・大丈夫よ」
「うう・・・
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