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生きるために
第二話 方程式の解
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ミッドは基本、万能スタイルだからなぁ……』

ベルカ式のような近接特化ではなく基本はオールマイティーなのだ。
近接、射撃、防御、補助と大抵が高水準である。
ベルカも出来ないというわけではないのだが、やはり基本は近接タイプである。
無論、ミッド式でも例外はある。
それこそ、彼の有名な高町なのはという少女は典型的な砲撃魔導師である。ただ、典型と名付けるには才能が怪物クラスだが。
自分たちがなまじ出来ることだからこそ、彼女が放つ魔法との格の差を知らされることになるらしい。
伝聞でこれ程の才能を実感させるのだから直接、彼女の砲撃を味わった人間は地獄を味わっただろう、南無。
ちなみに、彼女を狙った男性も次々に断って精神的にも落とすことも凄いらしい。南無三。
と、そこまで考えていたらもう直ぐであるということで、互いにデバイスを改めて握って己の力を確かめる。
場所は北東の路地裏。
それにしても、ここまで訓練所として再現するというのは管理局は人材は少ないが、お金はあるという事なのだろう。金があっても人がいなければ意味がないのだが。
念話で互いが準備OKと伝えてくる。囮の自分と背後で走っている二人で突撃し、砲撃手は空から砲撃。補助魔導師は出来る限りの全員のサポート。
ならば、余分な時間を作らせるつもりはない。
一息。それだけを覚悟の時間に作り

「……!」

口に中だけが知る無音の咆声を上げて床が濡れた路地裏に突入した。
瞬間に光が自分の視界で散った。





「───は?」

死んだと感じるような虚脱感を感じながら目の前で散っている光を見て思わず馬鹿みたいな言葉を漏らした。
後から来た同輩も同じ感想らしく思わず確認するように水溜りの上を音を立てながら今、自分たちが見ている光を見る。

「花火……?」

そう、花火である。
無論、ただの花火ではない。魔法によってよく似せただけのものである。
何故、こんなものがここにあるのだという思考が一瞬、自分たちの身体の停止を促せる。
並列処理で考えつつ、嫌な予感が大きくなるのを感じる。
つまり、自分達が感知で捉えたのはこの花火ということになるのだろうか。探知魔法は今回は魔力反応を目当てに使ったので必然的に魔力を探し求める。
それは勿論、行使されている魔法も含められるわけで……

いや、待て。ならば、これを使った術者本人はどうしたというのだ?

狙撃地点と思わしき場所から離れた場所にいると思ったのは転移魔法を使ったからと思っていた。

しかし、大前提が狂えば全てがおかしくなる。
こんな風に意味もなく魔力を行使して、餌にするとなるなら
思考が答えを出す前に口が出した。

「罠だ! 逃げ───」

るぞ、と答える前に足が先に後ろに下がろうと引き
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