第二話 方程式の解
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た。
ちっ、と舌打ちしたくなるが我慢して移動する。
本当ならば飛行魔法で飛んでいきたいが、敵がこちらに何時狙撃するかわからないので、余り顔は出したくない。
今の自分達の位置は南西。北東にいるのなら回り込む事は楽勝である。
そう思っていた自分が敗北の原因になるとは思ってもいなかった。
北西に行って何もなかったし、北東に向かったメンバーからも、もう直ぐ位置的に接敵すると言われていたのである。
最初の内は狙撃で恐る恐るといった調子でしか動かなかったが、結局、三度目の狙撃はなく、そのまま順調に進めたのだ。
だから、思ってしまった楽勝だ、と。
故にその油断は路地の一人が歩ける程度の狭い道で足首に触れたワイヤートラップによるトラップが自分を噛んだ。
「ぬおっ……!?」
突然のアクシデントに対応しようにも足首が意図せずに浮いていくのに、言い様のない恐怖を生み出してしまって思考が上手く働かない。
何故、バインドの発動に気づかないかと思えば魔法ではないから。これが、魔法ならば流石に気づいていたはずなのに、などと脳内で愚痴っても仕方がなく、右足だけが無防備に吊られて瞬間に目の前に現れた。
「子供……!?」
そこにいるのはまだ子供といえるような年齢の少年であった。
見た目、14〜から15,6くらいの年齢であり、身長は年齢相応くらいの身長より少しだけ高め位と思われる。
バリアジャケットと思われる服は黒色の動きやすそうに設定された服装に黒のコートである。
だが、それ以上に目を向いてしまうのは、持っているデバイスであった。
一言でいえば圧倒的。
もう一つ言葉を追加するとすれば頭がおかしいんじゃないのかと言えるようなデバイスであった。
そのデバイスの形は十字架の形であった。
ただし、持ち運べるようなアンクレットのような十字架ではなく、少年の体よりも大きく感じるような巨大な十字架だが。
持ち運ぶだけで大変そうな十字架を少年は片手でこちらに向けている。強化に重力緩和の魔法を使っているのだろうが、大きさの比率による違和感が酷い。
ただ、どんなものかというのかは十字架の先端にある砲みたいなもので凄い理解してしまって、冷や汗だらだらである。
しかも、それを見ている少年はすっごい笑顔。
だから、思わず叫んだ。
「待て! ───話せばわかる!」
「じゃあ、話します───今、俺、とっても、撃ちたい」
地面が光っていると気づいたら、魔法陣。色が黒だったので気づくのに凄い遅れた。
防御魔法を発動させはしたが、相手の魔力弾の圧縮率が馬鹿みたいにえげつないのを理解して無理、不可能という文字が浮かび上がり、そして背後のメンバーも自分が前をふさいでおり、左右は路地の狭い壁で防いでおり、後ろに戻るのは時間がかかる。
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