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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第160話】
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投擲――更に時間差による右手から更なる投擲で刃が迫る。

 加速していた一夏は、切り払いが間に合わずに深々と疾風の刃が肩と脚部に突き刺さり、絶対防御を発動させた。

 と同時に、ブレードモードのエネルギー刃は切れ、雪片も雄々しく輝いていた光刃が消え去る。


「何っ!?もうエネルギー切れ!?」

「シールド使いすぎだ!……少しは頭を冷やして来いよ、馬鹿野郎がぁっ!!」


 腕部スラスターを点火させ、俺の目の前に止まった一夏の頬へと右ストレートを決める。

 綺麗に入った一夏は、きりもみしながら海面へと叩きつけられ、その衝撃でシールドエネルギーが0になると共に、模擬戦終了のブザーが鳴り響いた。


 白式を纏い、海面を浮いていた一夏の元へと向かう。

 一方の篠ノ之も、海上で黙って模擬戦を見ていてやられた一夏の元へとやって来た。


「……結局、俺をぶん殴る事が出来なかったな。……その程度でよく誰かを守ろうなんて口に出せるものだ。……今のお前に、【誰も守る事なんて出来ない】。それだけは断言してやるさ、これがな」

「……ッ!?」


 その俺の言葉に、悔しそうに表情を歪ませる一夏――。


「有坂!一夏にそこまで言うことは――」

「篠ノ之、お前もだ。所詮【仮染めの紛い物の最強の力を手にしていい気になってたんだろ】?……一夏がやられた時の事、もっと思い出せ。お前たち二人は自覚しろ。――【俺よりも弱いという事に】」

「「……!?」」


 静かにそう告げると、俺はビーチへと戻っていく。

 その途中で、ムラクモの声が聞こえた。


『ふふ。これで二人が機体性能や特殊能力に頼らずに模擬戦が行えるようになると良いわね?……あの二人の成長の為に言ったのでしょ?』

『まぁな。……まあ俺達はまだ十五歳、十六歳のガキだがいつまでもそんな状況に甘えられる訳じゃないからな。……二人とも、多分周りから怒られるという事が少なかったんじゃないかな。ISが発表され、織斑先生がモンド・グロッソで世界一になってから』



 あくまでも憶測に過ぎないのだが、強ち間違ってはいないだろう。

 ……怒ってくれる大人が周りに少ないという状況は、子供が子供のまま大人になっていくのだからな……。

 少しはこれで――特に篠ノ之は皆を裏切る様な真似をしたのだから反省してくれると良いのだが……。
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