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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-44濡れ衣を着せられて
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 牢屋のある地下から出てきたところでシスターに行き合い、涙ながらに詰め寄られる。

「……あなたたちは!……どうか!どうか、返してください!あのブロンズの十字架は、全てを捧げて神の教えを説いてきた私の働きを、女王様が認めてくださって。その(あかし)として与えられた、私の宝物なのです!」

 切々と訴えるシスターに、一行は困惑して顔を見合わせる。

「あら、あら。困ったわねえ。」
「私たちでは無いと、言い返すのは簡単ですが。余程大切な物で、心の支えでもあったのでしょうね」

 トルネコとクリフトが小声で言い合い、少女がシスターに歩み寄る。

「……わたしたち。盗ってない。あなたの大切な物を、もしも持ってたら。返したいけど。でも、持ってないの」

 真っ直ぐに、悲しそうな瞳で話す少女の様子に、シスターが怯む。

「うっ……。こ、こんな子供を使って、罪を誤魔化そうとするとは!卑怯ですわ!」
「みんなは、そんなことしない」
「ユウ」

 ミネアが少女の肩に、宥めるように手を添える。

「いいんですよ。状況と、彼女の気持ちを思えば仕方のないことです。シスター、申し訳ありません。知らぬこととは言え疑いを招くような状況を作り、あなたに疑心を抱かせてしまったのは、確かに私たちの責任です。罪が晴れるまで、疑いは疑いのままで構いませんが。ここは、引いて頂けないでしょうか」

 美貌の青年に穏やかに語りかけられ、シスターの頬が赤らむ。

「そ……それは……。私とて、何も罪を糾弾したいというわけでは……。でも、そんな、当然濡れ衣のような……それではまるで、私が……」

 視線を僅かに下げ、言い淀むシスターに、ライアンが歩み寄る。

「ことの真偽は、いずれ明白になるでしょう。被害者たる貴女が、そのことにお心を煩わせる必要はありません。貴女が我々を疑われようと、信じてくださろうとも。どちらにしても、貴女の宝はきっと、貴女の手元にお返しします。どうか、今暫く。お待ち頂きたい」

 至近距離で凛々しい麗人に真摯に訴えられ、シスターは一気に血が上ったように真っ赤になる。

「……わかりました!十字架さえお返しいただければ、何がどうでも、問題ありませんから!お待ちしております!」

 焦ったように早口で言い放ち、踵を返してシスターが走り去る。
 その背中を見送り、ライアンが呟く。

「はて。何か、不味いことを言っただろうか」
「……どうして、そう思うんですか?」
「どうも、怒らせてしまったようなので」
「……あれが、怒ったように見えるんですね……」
「違うのか」
「明らかに違いますが、説明が必要でしょうか」
「いや。今はそれどころではあるまい」
「そうですね」

 ライアンの呟きにミネアが返して話を
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