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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-44濡れ衣を着せられて
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でのこと」
「ぎゃあああ!だから、ま」
「あらやだ、転んじゃったわ。」
「ぎゃあああ!なんでそう都合良く、武器が」
「まだ、倒れないのね。ごめんなさい」
「うぎゃあああ!!」
トルネコが転んで手放した武器が運良く男に向かって飛んでいって大打撃を与え、ブライの魔法による弱体化もあり、集中攻撃を受けた男はあえなく倒れる。
割り込む隙も無く事態が収拾し、ただ眺めるしかなかったミネアが呟く。
「……これは、ひどい……」
「抵抗せねば、痛い目も見なかったものを」
「……大丈夫?……うん、生きてる」
「このような輩をも心配するとは。ユウちゃんは、優しいのう」
「ちょっと、やりすぎちゃったかしらねえ。でも、生きてるんだものね。生きてれば、どうにでもなるわよね。」
「治したほうが、いいかな?」
「また抵抗するやもしれません。捕縛し、城に連れ帰ってからで十分でしょう」
そうこうするうちに上階から足音が響き、女兵士が駆け込んで来る。
女兵士が姿勢を正し、一行に一礼して口を開く。
「お見事でした!」
「ふむ。出てこられたか」
「ずっと、ついてきてたの。あなただったのね」
「お気付きでしたか。気配は消したつもりでしたが」
ライアンと少女の言葉に、女兵士が罰の悪そうな顔をする。
「
尾
(
つ
)
け回すような真似をして、申し訳ありません。女王陛下のご指示で、皆さんがお困りのようであればお助けするようにと。全く必要はありませんでしたが。この男は、私が連行いたしましょう」
女兵士は意識の無い男に歩み寄って縛り上げ、懐を探ってブロンズの十字架を見付け出す。
「やはり、この男が犯人で間違い無いようです。おい!起きろ」
女兵士に小突かれ、男が呻き声を発して目を覚ます。
「証拠の品は、既に押収した。言い逃れは出来んぞ。大人しく」
「ああああ!!助かった!!助けてくれ!!なんでも、言うことを聞くから!!」
男が取り乱し、傷付き縛られ不自由な体をなんとか動かして女兵士に迫る。
「な、なんだ。どうした」
「助けてくれ!!殺される!!オレが、悪かったから!!」
「つ、罪を認めて、償うと言うのなら。何も、殺されることは無いだろう」
「そうか!なら、早く!早く、連れて行ってくれ!あいつらから、早く離れさせてくれ!!」
「そ、そうか。大人しく着いてくると言うのだな」
必死に訴える男の様子に当惑しながらも、女兵士が男を引き起こし、一行に向き直る。
「では、私はこれで。先に戻って報告しておりますゆえ、皆さんはどうぞごゆっくり。では、御免。リレミト」
怯える男を連れて女兵士が脱出の魔法を使い、姿を消す。
一連の流れを微妙な顔で見送っていたミネアが、口を開く。
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