第三十六話 来たよ、来た来た、ようやく来た
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になるか……」
「厄介だな、ウランフ提督もいい迷惑だろう。今回の出兵もいざとなれば支援するようにと言われているんだから……」
万一の事も有る、補給はウランフ提督の分も含めて用意しておいた方が良いだろう。
帝国暦 488年 6月 15日 帝国軍総旗艦 ブリュンヒルト エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
「最前線を哨戒中のワーレン提督より入電! 貴族連合軍と接触したとの事です!」
オペレーターが声を張り上げた。艦橋にもざわめきが起きた。現在、帝国軍はシャンタウ星域を攻略中だ、もう直ぐ終わるだろう。ワーレンはシャンタウ星域の更に前方に出て哨戒活動を行っていたんだがそのワーレンが貴族連合軍と接触した。来たよ、来た来た、ようやく来た。
「敵艦隊はほぼ一個艦隊、ワーレン提督は事前の指示に従い後退しております」
「……」
一個艦隊? 一個艦隊なの? さっきまで艦橋に有ったざわめきは急速にしぼんでいる。俺もちょっと、いやかなりがっかりだ、せめて三個艦隊くらいは出てきて欲しかった。
「ようやく喰い付いてきましたな、しかし一個艦隊というのは少々少ない様な気がしますが……」
メックリンガーが困惑を浮かべている。口髭を綺麗に整えている、相変わらず身だしなみが良いよな。女性から見て美男子ではないが好男子ではある。きっともてるだろうな。
「あの八人が出てきていると思うのですが……」
「小官もそう思います」
「領地を失っていますからね、艦隊の保持は難しいのかもしれません。だとすると八人で一個艦隊というのはおかしくは無いのかもしれません」
「なるほど、そうかもしれませんな」
一個艦隊か……、あの八人の他は誰も一緒に付いて来ないみたいだ。やはり浮いているようだな、馬鹿八人衆は。……あいつらなんだよな、出てきたのは……。
ワーレン艦隊の後退と貴族連合軍の追撃は二時間ほど続いた。終了後、ワーレンから状況報告の通信が入った。
「一個艦隊と聞きましたが?」
『はい、一万隻は超えていましたが一万五千隻には達していなかったと思います』
なるほど、一人当たりなら二千隻に満たない戦力か……。
「艦隊の動きはどうでしょう?」
『統制はとれていませんでした。我先に追って来ると言う感じで……』
ワーレンが苦笑を浮かべている。逆撃を喰らわすのは難しくなかった。そう思っているのだろう。
『こちらがわざと後退しているというのにも気付いていないのでしょう。二時間も追い回すというのは戦闘慣れしていないとしか思えません』
「なるほど」
艦隊の錬度も低いし指揮官も戦闘慣れしていないか……。原作同様、貴族連合の特徴だな。
『小官はこの後、どのように』
「これまで通り、味方の最前線で哨戒活動をお願いします」
『承知しました』
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