暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
序弾 プロローグ
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くれて、お礼を言ってくれたから……」

 白雪は(うれ)しそうな顔を上げ、なんでか目を潤ませて蚊の鳴くような声を出す。

 あ、あのなー。

 なんでいつもそんなにオドオドするんだ。もっと胸を張って生きろよ。

 そんな、やたらめったらに大きな胸をしてるんだから。

 そう思った俺は……つい、本当につい。

 白雪の胸を、見てしまった。

 こっちに三つ指をつく白雪のセーラー服の胸元は、ちょっと(ゆる)んで開いている。

 そこには深ぁーい胸の谷間がのぞいており、黒い、レースの下着が――――

(く……黒はないだろ!)

 高校生らしからぬけしからん下着から、俺は(あわ)てて目を()らす。

「――――ごちそうさまっ」

 白雪(しらゆき)から逃げるように、俺は勢いよく立ち上がる。

 少し顔が赤くなっているかもしれないが、それくらいならバレないだろう。

 白雪はテキパキと重箱を片付けると、今度はソファーに(ほう)られていた武偵高(ぶていこう)の学ランを取ってきた。

「ミズキくん。今日から一緒に2年生だね。はい、防弾制服」

 俺がそれを羽織(はお)ると、今度はテレビの(わき)に放り投げてあった拳銃も持ってくる。

「……始業式ぐらい、銃は持たなくてもいいんじゃないか」

「ダメだよミズキくん、校則なんだから」

 と、白雪はその場に両膝(りょうひざ)をついてこっちのベルトにホルスターごと帯銃させる。

 校則……『武偵高の生徒は、学内での拳銃(けんじゅう)と刀剣の携帯を義務づける』、か。

 確かにこの学校は、拳銃と刀剣が無ければ死ぬ危険性のある物騒な学校だが、何も始業式の日ぐらい携帯しなくてもよいのではないだろうか。

「それに、また『武偵殺(ぶていごろ)し』みたいなのが出るかもしれないし……」

 白雪は膝立(ひざだ)ちのまま、心配そうな上目遣(うわめづか)いで俺を見上げてきた。

「――――『武偵殺し』?」

 誰だっけ、それ。

「ほら、あの、年明けに周知メールが出てた連続殺人事件のこと」

 ああ、そういえば、そんなのもいたな。

 たしか……武偵(ぶてい)の車やなんかに爆弾を仕掛けて自由を奪った挙句、短機関銃(マシンガン)のついたラジコンヘリで追い回して――――海に突き落とす。そんな手口のヤツだったか。

「でもあれは逮捕されたんだろ」

「で、でも、模倣犯(もほうはん)とかが出るかもしれないし。今朝(けさ)の占いで、ミズキくん、女難(じょなん)の相が出てたし。ミズキくんの身に何かあったら、私……私……ぐす……」

 女難の相か。ある意味当たってるな。朝からコイツだもん。

 白雪はまだ涙目だし、校則
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