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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 劉備 (桃色) 「我愛?」 
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作の半数は、向こうの細作に捕らえられているのよ!」
「な、なにぃ!? 一体、どんな間抜けを派遣したというの……あ」
「姉者……」
「あ、いや、べ、別に秋蘭の教育が悪かったというのではなく、だな。その、細作の不甲斐なさを口にしただけで、べ、別に秋蘭のせいってわけじゃ……」
「その間抜けを鍛えたのが私だからな……」
「いや、だから……しゅぅらぁん〜」

 泣きそうになりながら、秋蘭にすがりつく春蘭。
 まったく……

「春蘭。秋蘭が鍛えた細作よ。この大陸でも有数の力を持っていると私も思うわ。でも、相手はその上をいっただけよ。別にそれを咎めようとは思わないわ」
「そ、そうですよね、華琳様! 秋蘭は悪くないぞ、うん!」
「…………ご温情、痛み入ります。ですが、細作を失ったのは事実。今後は、より一層厳しく育成いたします」
「ならばよし。期待しているわ」

 私の言葉に頭を下げる秋蘭。
 そして何故かそれに習って頭を下げる春蘭。
 ふふふ……やはり姉妹ね。

「こほん……それで桂花。数人が戻ってこられたのなら、なにか収穫があったということね?」
「はい……漢中では、大規模な農業政策が行われていました。それがこれです」

 そう言って、懐から小さい石のようなものを取り出す桂花。
 なにかしら……見たことないわね。

「これは『じゃがいも』と呼ばれる植物です。南の方で最近流通し始めた食料だそうですが……これを梁州全域で栽培させているようです」
「じゃがいも……見たことはないわね。でも、それを梁州全土で?」
「はい……このじゃがいもですが、とにかく数が取れます。しかも三月(みつき)ほどで、年二回の栽培が可能だとか」
「……そんなに?」
「はい。その上、難しい栽培法も必要ではなく、どんな寒暖地でも育成できるようです」
「これが……」

 桂花の手にある丸っこい石のような塊。
 それが、どんな黄金よりもすばらしい物に見えてくる。

「梁州では、陸稲を廃止してまでこの作物を優先的に広めているそうです。そのため、一時的に梁州の国庫が空になるくらい窮乏したようで、収穫までは質素倹約を国中で行っていた節があります」
「そこまでして広める価値があったということね……これ、どうやって食べるのかしら?」
「蒸したり茹でたり、炒めてもいいそうです。ただ……少し問題がありまして」
「問題?」
「この作物、間違って食べると……毒があるようです」
「毒!?」

 毒がある作物を梁州で……?

「主に芽に毒があるようです。とれば問題ないそうですが……知らずに食べた細作の一人が、帰る途中で手を付けたそうですが。顔と腹、手足が腫れ、唇や耳が紫になり、意識を失って十日ほどで亡くなったそうです」
「……つまり、なにも知らな
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