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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
決着
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「ほら、何してるのよ。今日のMVPがそんなところにいちゃだめでしょう」

「貴様は相変わらず終わったら、すぐにコーヒーブレイクだな。もっと協調性というものを考えろ、マクワイルド候補生」
「まさか、ワイドボーン先輩から協調性という言葉を聞く事になるとは思いませんでしたね」
「いいから、ほら。きなさいよ――テイスティア、アレスのコーヒーを取って」
「はい」

「おい、何を考えている」
 コーヒーを奪われて、戸惑いながらアレスが進む。
 その先には、ワイドボーンとローバイクの体格のいい二人だ。
 その動作に、嫌な予感を感じながらアレスはコーネリアに押される。
「ちょっとまて、何かを考えているかは理解できた。だが、やめ――」

「大丈夫だ。俺一人でも人を投げるなど簡単なことだ」
「……問題ない」
「俺が問題あ――ああっ!」

 言葉を最後まで言うことなく、アレスは宙を舞った。

 + + + 

『優勝 ワイドボーンチーム。君らは第一回戦術シミュレート大会において……』
 シトレが直々に表彰状を読み上げる。
 背後には士官学校の学生たちが並び、視線が集中する中での授与式だ。

 居心地悪そうにアレスは身体を動かした。
 ワイドボーンがシトレ学校長から賞状を受け取り、続いてローバイクがスレイヤー教頭から記念品を受け取った。
 並んでいる一人一人に、シトレから声がかかる。

 最初にワイドボーンが、そして、ローバイクが。
 最後の戦いに対して、自分の意見を交えて、柔らかな雰囲気で話しかけていた。
 そして、コーネリアに。
少しずつ動きながら、やがてはアレスの前に立った。

 差し出された手を握る。
 軍人らしい武骨な感触とともに、力強く手が握り締められる。
「おめでとう」
「ありがとうございます」

「――君は私が最初に送った言葉を覚えているかね」
「は……は、はぁ?」
「君が入学した時だ。私はこういったな、英雄と呼ばれるのは君ら一人一人の頑張りだと」
「え、ええ。そう伺いました」

「士官学校までであれば、それで良い。だが、戦場にあがれば一人が頑張ってもどうしようもない現実が待っている」
 握りしめられた手と、真剣な表情にアレスは一瞬戸惑いを見せた。

 だが、すぐにシトレの言葉を待つ。
「自分一人の頑張りなど、無意味だと――そんな事を皆に伝えるわけにもいくまい。だが、君にだけは伝えておこうと思う。一人で頑張り過ぎるな、死に急ぐな、マクワイルド候補生」
「はい」
 頷いたアレスの肩を小さく叩けば、手を離してテイスティアに向かった。
 それを視線で追えば、先ほどまでの強い視線はなくなり、朗らかな様子でテイスティアの判断力を褒めていた。

 いまだ感触の残る手を
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