暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
鈴の音
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な物だと思う。
仮に、中層ゾーンなどの、攻略組との力関係を不満に思っているプレイヤー達などにこの力のことを知られた時、起こる暴動や怒りはとてもじゃないが目を覆いたくなるほどだろう。
当時の《六王》の判断はつまり、そうなった時に矢面に立つのは自分達だと公言するような物である。
そんな犠牲と覚悟の上で成り立っているからこそ、レンは、レン達は驚いた。
目の前の、SAOにすら居なかった生粋のALOプレイヤーである彼女の、シバの口から《心意》の言葉が出てくることが。
「……何でおねーさんがそのシステムのことを知っているの?」
鋭く目を細めながらレンは訊く。
しかし、シバは何も浮かんでいない顔で、淡々と言葉を紡ぐ。凛と張ったその声は、広いリビングの端から端まで響いた。
「さて、ね。しかし、何もALOで心意について知っているのは私だけじゃない。私のような、初代領主のような最古参メンバーならば皆薄々気付いているはずだ」
思わずカグラと顔を見合わせたレンは、少し意外な気持ちで考え込んだ。
確かに、SAOプレイヤーでなくても、約一年もの間心意システムを使える状況下で過ごしていたのならば、気付く者も少なからずいるというものか。
いや、しかしそれでも────
「ユージーンのおじさんは知らなかったよ?」
ふん、とシバはその名を聞くと鼻を鳴らした。
次いで、相変わらずの無表情っぷりで吐き捨てるように、あの小僧か、と言う。
仮にも
火妖精
(
サラマンダー
)
随一の実力者であり、《猛将》の異名すら持っている男のことを小僧呼ばわり。さすがは初代
音楽妖精
(
プーカ
)
領主サマだ。
「あの小僧ごときが、アレに気付くようなおつむを持っているとは思えない。もしそうだったら、今頃サラマンダーはALOの覇者にでも簡単になっているだろう」
「………しかし、ならなぜあなたを始めとする最古参プレイヤーは本格的にグランドクエスト制覇を狙わないのですか?」
「それは簡単だ。そんなことをしても無駄だと知っているからだ。確かに最古参プレイヤーの中にはこの力を過信し、世界樹攻略に乗り出した者もいた。だが、その全てがことごとく失敗したのだ。……それは君達が一番理解しているんじゃないのか?」
突然向けられる、シバの視線。
その全てを見透かしているような視線にレンは、どこか激しい既知感を覚えた。
───なんだろう。僕は、この視線を、知ってる…………?
降って湧いたその未知の感覚にレンが硬直していると、それを理解しているのか理解していないのか全くわからない無表情でシバは僅かに瞳を動かし、おそらく視界の端に浮かぶシステムクロックを見た。
「すまないが、時間切れだ」
は?とレンとカグラが揃って、何
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