暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
鈴の音
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ンとカグラ。その椅子も、一脚何ユルドするかもわからない高級感が漂っている。
レンとカグラが座ったのを見届け、シバは肘をテーブル上に置き、すらりと整ったあごを手の甲に据えると少しだけ目を伏せた。
長めの前髪に隠されて、それだけのことで表情が、その真意が全く見えなくなる。
「君がそう言うならそれでいい。だが、手合わせだけで《心意》を使うなんて、少し無用心すぎじゃないのか?」
「────────ッ!」
一瞬、言われた言葉の意味がわからなかった。
あまりに自然に放たれたその単語に、レンは心臓の鼓動が一足飛ばしたような驚愕を味わった。
《
心意
(
インカーネイト
)
》システム。
イメージというそんな曖昧な物で現実、果ては因果律まで捻じ曲げるというプレイヤーどころかGMの身にも余る究極の力だ。
SAO時代、その力はトッププレイヤーである攻略組の中でも限られた、《六王》やその側近の大幹部、大規模攻略ギルド【聖竜連合】リーダーや幹部クラスといった、いわゆるトップ中のトップしか知らなかった。
否、
知
(
・
)
ら
(
・
)
さ
(
・
)
れ
(
・
)
て
(
・
)
い
(
・
)
な
(
・
)
か
(
・
)
っ
(
・
)
た
(
・
)
、と言ったほうがいいかもしれない。
心意の力は、強すぎるがゆえに弱点というか、それに相対する副作用がある。いや、副作用というより代償というべきか。
強すぎる力には、それなりの代償が要るのだから。
心意という物の本質は、心の奥底にできた傷から抽出したエネルギーである。
言わば、それは出《血》とも言い換えることができる。深く切り裂かれた《傷》からは、それなりに多い《血》が出る。大量の《血》が出るほど、当然の事ながら《傷》口はだんだんと広がっていく。
それは、同じ《傷》を持った人間に相対した時ほど、広がり方は大きくなってくるのだ。
もっと広く、もっと深く、《傷》は大きくなっていく。
そしてその《傷》は、持ち主に対して《血》というエネルギーだけを提供しているわけではない。
対価として《傷》が要求するのは、持ち主の精神力。それは、さながら食に飢える獣のように精神を蝕み、喰らい尽くしていく。
その先にあるのは、《無》だ。
《傷》に呑み込まれたという事は、すなわち自分自身、己自身に呑み込まれたという事だ。
そんな者の行く道の先に、明るい未来などあるだろうか。否、その先に存在するのは、果てしない闇、泥のようにわだかまる漆黒しかない。
だから、ヴォルティスを始めとする《六王》達は、この力に関する情報をすべて抹殺し、握り潰した。
それはひとえに攻略組、いやソードアートオンラインに閉じ込められた約一万人のプレイヤー全員の平和を願ってのことだ。
その判断は正しいし、立派
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