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少年と女神の物語
第四話
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けるとはな。何だ?言ってみよ」
「大したことではありません。ただ、私を助けてくれたこの人間・・・」

 そう言いながら、アテは俺のほうを見る。

「私のことを、家族だといってくれた武双だけは、殺さないでいただきたい」
「オイ、アテ!お前、何言ってんだ!」

 神様同士の会話に割り込むなど、無礼極まりないのだろう。
 それでも、俺は割り込んでいた。割り込まずには、いられなかった。

「お願い、武双は黙ってて。このまま上手くいけば、武双だけは逃がせる」
「そんなことじゃない!なんでそこまで」
「だって、家族のことを一番に考えるのが神代なんでしょ?」

 アテは俺の目をまっすぐ見ながら、そう言って来る。

「それに、今の私は女神アテであると同時に神代アテ。最初で最後の、神代らしさだよ」

 そういって、アテはゼウスのほうへと歩いていく。

「私の願いはこれだけです。どうか、お聞き入れいただきたい」
「ふむ・・・いいだろう。我が名を知っていたその人間は、生かしておいてやる」

 そう言いながら、ゼウスは先ほども使った雷の槍を握る。
 アテはそれを避けようともせず、両手を広げて向かいいれる体勢だ。

「では、さらばだ。我が偽りよ!!」

 ゼウスはそういって雷の槍を投げる。
 アテは、それでも避けず・・・一筋の涙を流しながら、その場に立っている。

 そして、その涙を見た俺は・・・

「神槍、絶刃!」

 アテの前に走り、『召喚』した槍を使い、その雷を上方にはじいた。
 弾いた瞬間に槍はバラバラになったけど、十分すぎるくらいの働きはしたから、問題ない。

「武双、貴方一体・・・」
「何のつもりだ、人の子よ?」

 俺の前後にいる神様はそういってくるが、俺はただ、神代として当然のことをしただけだ。

「別に、ただ家族を守ろうとしただけだ。俺の家族、神代アテをな!」

 そう言いながら、槍を二本召喚し、構える。
 普通はやらない槍の二槍流。これが俺の一番なれた型だ。

「自分を守るために命を投げ出したものの気持ち、酌もうとは思わんのか?」
「そうです!何故私が大人しくしていたと!」

 確かに、普通ならそうすべきなのかもしれない。だが、そんな普通は神代にとってはどうでもいい(・・・・・・)

「思わないな!神代の人間は、何があっても、何をしてでも家族を守る」
「そのために、神に逆らうことになろうともか?」
「ああ」
「そうか・・・では、最後に今一度、考え直す時間をくれてやる」

 そういって、ゼウスは俺達のほうをにらみ、

「人の子よ、早くその女神をこちらに渡せ」
「あの・・・私なんて見捨てて、早く逃げてください」

 ここで、物語は冒頭へと
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