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少年と女神の物語
第四話
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それは・・・それは、あそこにいるのが、私を殺そうとしている・・・」

 そういわれて、俺は慌ててそれを見る。すると、確かにそこから神性を感じる。
 勘違いかと思って教会の人たちを見るが・・・そこには、片膝をつき震えている集団があった。
 まちがいない、こいつが・・・

「お・・・御身は、いかなる神でしょうか?」

 それでもなお、俺は信じることができず、そうたずねた。

「まさか、我が名を知らぬわけではあるまいな?このギリシアにおいて主権を握った、我の名を」

 だが、その期待はあっさりと崩された。もう勘違いのしようがない。こいつは・・・

「ギリシア神話における主神。時にサバジオス、ユピテル、ディアウスなどとも同一視される神」
「ほう、そこまで知っておるか。うむ、それが我だ!」

 自然と口を突いて出る、その神についての知識。そして、そのままその名を言ってしまう。

「ゼ、ゼウス・・・!」
「うむ!われがギリシアにて天を制し神!まつろわぬゼウスである!」

 ありえない。何故ここにアテがいると分かった。今アテは神性を失っているはずだろう。
 いや、そうじゃない。ゼウスはアテに反応してきたわけじゃないんだ。
 あくまでも、ロンギヌスに反応した。ありえないと考えもしなかったことが、起こってしまっただけ。

「さて、主神の名の下に、まずはそのものたちを裁くとしよう。考えてみれば、まだ我は顕現した証を残しておらん」
「か、神よ!どうか、どうか御慈悲を!」
「我ら、この儀式には裏はございませぬ!ただ壊れたものを直そうとしただけで!」

 ひざまづいている人たちは必死になってそういうが、ゼウスは相手にもしない。

「では、アテの前に裁くとしよう!」

 そういって、ゼウスは何か槍状の物・・・おそらく、雷であろう槍をつかみ、その集団に投げる。
 そして、その一撃で人は跡形なく消え、ロンギヌスが乗っている祭壇だけが残った。

「そんな・・・ここまで圧倒的に・・・」
「うむ、これであの儀式は終了した。あのもの達には、どこか悪意があったゆえな。容赦はせぬ」

 悪意、それはいったいなんだったのだろう?完成したロンギヌスを奪うとか、そんな感じだろうか?

「アテ、早く逃げよう。今の、神性を失っている間なら逃げれさえすれば、」
「いえ、無駄です。ゼウスから逃げることなど・・・出切る筈がありません」

 アテははっきりとそう言い、ゼウスを見る。

「さて、次はそこの我が偽りだ。覚悟はできておろうな?」
「もちろんです。唯、一つだけ願いが」

 アテはゼウスにはっきりとそう返す。
 気がつけば、アテの体から震えは消え去っていた。

「願い、か。狂気である貴様からそのような言葉が聞
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