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少年と女神の物語
第二話
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他にもあるからね」
「さいでっか・・・じゃあ、遠慮なく受け取っていく」

 浮かんでいるロンギヌスをつかみ、『送還』の魔術で消す。
 穂先だったころならいいが、ここまで来るともう持ち歩くことはできない。
 怪しすぎるし、警察とかに目を付けられたら記憶を消すのが面倒だ。

「まあ、今回のお礼に、俺にできる範囲で何かあったら手を貸すよ。なんかあるか?」
「そうだねえ・・・じゃあ、窓の掃除でも」

 その瞬間、ズドガアアアアアン!!!という音が外から聞こえてきて、教会が揺れた。

「この音の原因をどうにかしてくれるかな?」
「ただでさえ面倒だったのが、余計に面倒になったな・・・了解。引き受けましょう」

 窓拭きのほうがまだ楽だった・・・まあ、手を貸すといったのは俺なので、言われたことはこなそう。
 リズ姉や立夏はそれぞれホテルを取って休んでいるそうだから、今日はもうこれ以上やらなくてもいいだろうし。

 そう思って外に出て、音がしたほうに向かうと・・・

「・・・女の子?」

 銀髪の、短い髪の少女がクレーターの中に倒れていた。



◇◆◇◆◇



 あの後、倒れていた少女を抱えて予約しておいたホテルに来たわけだが、一向に起きる気配がない。
 もちろん、目立たないために陰陽の術を使ってここまで来た。クレーターはさすがにどうしようもなかったから放置したけど。

「さて・・・連れてきたはいいがどうするか・・・」

 とりあえず、治癒の術をかけ、その姿を観察する。
 ぱっと見では年齢は俺と変わらないように見える。同い年か一つ下ぐらいだろう。
 それと、かなり美しい少女だった。
 幼い見た目をしているのに色香をまとい、蠱惑的な可憐さを持っている。まず、普通の少女というわけではないだろう。

「あとは・・・あの方法を使わないと効かないくらい、術は効きづらいし、呪力もハンパじゃないんだよな・・・俺もかなりのもののはずだけど、比較にならないくらいあるし・・・」

 おそらく、兄妹(姉弟)全員の呪力を合わせてもまだ足りないだろう。
 その量が普通ではない、神代の兄妹(姉弟)のものを合わせても、なのだから異常すぎる。
 ありえそうな存在が二つほど浮かんだが、そのどちらかが目の前にいる可能性と呪力がただ多いだけなら、後者のほうがまだ現実味がある。

「大体、前者ならこんなに起きないってことはないだろうし、俺が近づいた時点で殺されてるだろうな・・・うん、間違いなく後者だろ」

 さて、この子は起きそうにないし、仕方ないからこのまま寝かせておこう。
 風呂には入ったし、食事は一応冷蔵庫に入れてるから、起きたら一緒に食べればいい。

 というわけで、やることがなくなった俺は今日のこと
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