歌い手、都につく
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
れたんだから頑張らないと!」
そういって、サンドラちゃんは胸の前で小さく拳を握った。
まだ親に甘えたい年頃だろうに、という思いと、脆く、壊れてしまいそうだという思いが僕の中を支配した。
「そっか。頑張ってるんだね、サンドラちゃんは」
「え・・・か、奏?」
サンドラちゃんは僕の急な行動に戸惑い、そう名前を呼んできた。
まあ、急に頭を撫でられたらそう反応するのが当然だろう。
「ゴメンね?頭撫でられるの、いやだった?」
「ううん、そうじゃなくて・・・久しぶりだったから、驚いた」
どうやら嫌がっているわけではないようなので、このまま続けさせてもらおう。
「でも、つらいことを溜め込んでたら、いつか壊れちゃうよ?誰かに相談しないと」
「でも、マンドラ兄様には相談できないし・・・」
「じゃあ、僕に相談してよ」
「奏に?」
「うん。コミュニティが違うからいつでも聞けるわけじゃないけど、会った時に愚痴ぐらいは聞けるし、相談にも乗れる」
「でも、迷惑じゃ・・・」
「それも気にしなくていいよ。迷惑だとは思わないから。誰かが頼ってくれるのは嬉しいし」
そして、僕はリリちゃんのほうを見る。
「まあ、さすがに僕にはし難い話もあるだろうけど、リリちゃんもいるし。いいよね?」
「もいろんです!遠慮しないで相談してね、サンドラちゃん!」
「・・・うん!ありがとう、奏、リリ!」
その後、僕の部屋でリリちゃんとサンドラちゃんの愚痴、相談を聞き、二人は部屋から出てリリちゃんの部屋へと向かったのだが・・・
「奏さん・・・広くて落ち着かないので、同じ部屋ですごしてもいいですか?」
リリちゃんはそういって戻ってきた。
“ノーネーム”では百二十人で寝てるし、一人でこの部屋を使うのは落ち着かないんだろう。
僕も一人で過ごすよりは二人のほうが楽しいから、そのまま同じ部屋で過ごした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ