歌い手、都につく
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仕方ないことだろう。
「ありがとうございます・・・それと、私に対して敬語も必要ありませんし、呼び方も畏まらなくていいですよ?今回、私のほうから依頼をさせていただきましたから」
う〜ん・・・まあ実年齢は下みたいだし・・・
「じゃあサンドラちゃんで。どうにも昔っから異性を呼び捨てにはできなくて。サンドラちゃんも気楽にして。呼び方も奏でいいし、口調も崩してくれれば」
「そう・・・分かった。じゃあ今回の話に移ってもいい?」
「うん、よろしく。まず、僕はいつどこで歌えば?」
「開会式と閉会式、それとこのギフトゲームの決勝が始まる前にもお願い」
そう言いながら一枚の羊皮紙を渡される。
内容は・・・“造物主たちの決闘”か・・・春日部さんがいたら参加しそうな内容だな。
「うん、分かった。じゃあこっちからもいくつか」
「何か必要なものが?」
「そうじゃなくて、まず伴奏は必要ないし、マイクみたいな増音するものも必要ない。まあ、あっても意味ないしね」
むしろ逆効果なので、あったら困る。今のうちに取り除いてもらおう。
「そう・・・分かった、すぐに撤去させる。他にはある?ないんだったら二人が泊まる部屋まで案内するけど」
「僕はもういいかな。リリちゃんは何かある?」
「えっと・・・サンドラちゃん、何か手伝うことって・・・何もしないのに泊めてもらうのは・・・」
リリちゃんらしい考えだ。でも、一応僕達はゲストとして呼ばれてるわけで・・・
「ゴメン、リリたちはゲストとして呼んでるから、そう言うことをしてもらうわけにはいかない」
「それに、リリちゃんは俺の手伝いをするんだから、そこで働けばいいでしょ?それが、今回リリちゃんがここに来た理由なんだから」
「・・・分かりました!一生懸命お手伝いさせていただきます!」
「うん、よろしくね。サンドラちゃんもそれでいいかな?」
僕はリリちゃんの頭を撫でながら、そうたずねる。
サンドラちゃんは少しボーっとしていたのか、変な間を置いて、
「・・・あ、うん。それでいいよ。じゃあ、案内するね?着いてきて」
サンドラちゃんはそういって謁見の間を出て行く。
どうしたのかは分からないけど・・・とりあえずリリちゃんと一緒についていく。
「そういえば、どうしてサンドラちゃんがサラマンドラを継ぐことになったの?」
驚きはしなかったけど、気にはなっていたことをこの機会に聞くことにした。
「それは・・・私には姉様と兄様が一人ずついるんだけど、姉様はだいぶ前に出て行っちゃて、いないの。それで、残った兄様と私なら私のほうが火龍には向いてたから私が継ぐことになった」
「それで・・・つらいこととかはないの?」
「もちろん、あるよ。でも、私に任せてく
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