魔法先生ネギま!
0408話
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そのバイオリンから流れてくるのはギギギギ、というとても音楽とは思えないようなものだった。
「バイオリンを武器にしている癖に音楽は苦手なのか?」
そう呟いた時。唐突に俺へと強烈な衝撃が襲い掛かってくるが……
「……何故ですか?」
唖然とした様子で調が呟く。
それもそうだろう。何しろ、自慢の攻撃を俺が食らったにも関わらず無傷でその場に立っていたのだから。
「何がだ?」
「何故、私の狂気の提琴の攻撃を食らって無傷なのですか? フェイト様との契約で手に入れたこのアーティファクト、狂気の提琴は対象を容易く破壊する能力を持っています。それなのに、何故貴方は無傷なのですか?」
「さて、自分の能力をそう簡単にひけらかすような真似はアマチュアでもしないと思うがな」
そう言いつつも、長谷川達3人を逃して置いて正解だったとつくづく思う。
俺自身は混沌精霊となった影響で魔力や気の籠もっていない純粋な物理攻撃に関しては一切無効化する体質を手に入れている。だが、長谷川達3人は普通の人間なのだ。もし今の攻撃を食らっていたとしたら文字通りに粉々になっていた事だろう。
「……やはり、貴方は危険です。こうなったら意地でも私がここで倒して見せましょう」
そう小声で呟き、再びバイオリンを構える調。
その様子を、俺は苦笑を浮かべて眺める。
「だが、どうする気だ? お前の攻撃が俺に通用しないというのは今の一連の出来事で明らかだろうに」
「確かに狂気の提琴は効果が無いようですが、私の攻撃手段はそれだけではありません」
調が呟いた瞬間、俺の足下から急激に植物が伸びて俺の身体を絡め取る。
「その植物は魔法世界でも特殊なもので、魔力を吸収するという性質を持っています。幾らアクセル・アルマーと言えども魔力その物がなければどうにもならないでしょう」
ニコリ、と満足そうな笑みを浮かべる調。だが。
「確かに魔力を全て吸収されたら手も足も出ないかも知れないな。けど、ならその前に対応すればいいだけの話だ」
額の深紅の角を使ったように見せかけ、混沌精霊としての力を使い植物を瞬時に燃やし尽くす。
「そ、そんな馬鹿な……」
その様子に、調は唖然とした表情で俺の方を見ている。
……何を驚いているんだ?
「フェイトから俺の情報は聞いてるんだろう? なら俺が炎の魔法を得意としているというのも知ってる筈だろうに」
「そうじゃありません! いえ、確かにそれもありますが、その植物は吸い取った魔力を使って自己を強化する性質を持っているのです。当然、植物最大の弱点でもある炎に対する耐性も。それをあっさりと燃やし尽くすなんて……それに、貴方は今呪文を唱えずに……まさか、焔と同じ能力?」
なるほど。
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