第九十六話
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桜とチャンピオンを連れて夜の冬木の街を歩く。
桜を連れての移動は思うようには進まず、最終的には重量軽減の魔術を掛けた私が桜を抱っこし、その私を抱き上げてチャンピオンが空を翔ける。
空を飛ぶと言う突飛な状況に桜は最初は悲鳴を上げていたが、途中で慣れたのかむしろ空の旅を楽しんでいた。
強力な魔力が感知された未音川に付くと、そこには予想外の大物が現れていた。
「あれは…」
おそらくキャスターが使役する魔獣だろう。海洋生物を混同し巨大化したようなそれは以前見たあの醜悪なナニカに良く似ていた。
その大きな海魔を相手にセイバーとライダーが応戦しているが、一向に打ち倒せる気配は無い。
これはお父様を探している暇は無いかもしれない。私と桜を置いてチャンピオンにも加勢してもらわなければきっと一般人に露呈する。それは魔術師として生きている私達の最低限のルールを逸脱した許されざる行為だ。
常識ある魔術師ならばアレを即刻打ち倒し、魔術の漏洩を防がなければならない。
「チャンピオン…」
と、私が彼女にお願いをしようとした瞬間、行き成り海面上に居た巨大な海魔が姿を消した。
見ればセイバーとライダーの姿も消えている。
これは…?
「アオが封時結界を張ったわね」
封時結界と言う単語から時間を封鎖して空間を切り取る魔術だろうとあたりをつける。強力な力を持った魔術師ですらそんな魔術をこの規模で展開なんて出来ないだろうと言うのに、やはりチャンピオン達の規格外さを再確認した。
あの海魔は向こうのチャンピオンとイリヤスフィールが何とかするだろう。だったら私は本来の目的を果たさなければ。
もう一度未音川一帯を良く見ると、緑色に発光する巨大な羽根を広げた船のような物が空に浮かんでいた。
その現代兵器に合致しないフォルムのそれはおそらくサーヴァントの宝具だろう。
セイバー、ランサーにそんな宝具は無いだろうし、有力なライダーは結界に閉じ込められてしまっている。後はバーサーカーとアーチャーだが、宝具が強力なのがアーチャーのクラス特性だ。逆にバーサーカーは理性を失うついでに本来の宝具を失っている場合が多い。となるとあれはアーチャー。
魔力で視力を強化して見れば金色の鎧を着たサーヴァントにかしずく様にステッキを持ったスーツの男性が見える。
お父様だ。
流石にお父様もこの異変には自身で出てきたのだろう。
お父様は何かを見つけたようで、アーチャーに近くのビルへと降ろしてもらっていた。
そちらを見ればお父様と雁夜おじさんが対面している。
アーチャーはバーサーカーが襲い掛かっているのでおそらく今はお父様も雁夜おじさんも自身を守るサーヴァントは居ない。
ならば…
「チャ
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