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エターナルトラベラー
第九十六話
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門の外にはアイリスフィールと、何処か警戒している衛宮切嗣の姿があった。見えないが、距離を開けた所に舞弥さんの気配もある。

俺の腕からもがいて降ろせと主張するイリヤを地面に立たせると、勢い良く駆け出しアイリスフィールの腕に収まるイリヤ。

「どうしてこんな所に?」

「わかんない。ただ、わたしにそっくりな女の子が居たこととそこのお兄さんが居たことだけは覚えてる…」

「アリアが?」

視線を此方に向けるアイリスフィール。

「彼女…イリヤスフィールはもう居ない。…彼女はその子の中で眠ってしまった」

「どういう事だい?」

剣呑な目つきで切嗣が問いかける。

「そう睨まなくても、聖杯戦争が終わった今、俺達が敵対する必要も無いだろう。詳しい話は中でしよう。此処は冷える。イリヤが風邪を引いてしまう」

「キリツグ…」

どうするのかと視線を向けたアイリスフィールに少しの間逡巡してから切嗣は俺の申し出を受けた。


説明は完結に、平行未来から事故で転移してきた事実を教えた。

「そう。それじゃアリアは私の…」

「そうであって、そうじゃない。アイリ、世界を跨ぐと言う事はそう言う事だ」

「彼女の願い故、俺はその子の側を離れられない。まぁ、そこは勘弁してくれ」

「望みえる最強の護衛がイリヤについているんだ。それは良い。…だが、イリヤは君に命令出来るのか?」

切嗣が重要な所の確認を取る。

「ラインは繋がっているから彼女からの魔力で現界してはいるが、残念ながらその子に俺達への絶対的な命令権は無いよ。そもそも聖杯戦争のマスターで有ったとて、令呪以外の命令をサーヴァントは聞く必要はなかっただろう?」

間違えやすい所だが、基本的にサーヴァントは自身も聖杯が欲しいからマスターの言葉を最大限に尊重していたに過ぎない。

突き詰めて言えば令呪以外の命令権は無いのだ。

「そうか…」

「それよりもその子の今後の事だ。俺は彼女の剣であり、守るための盾だけど、彼女を幸せにするのは俺の役目では無い。俺はイリヤの令呪故にどんな事からも彼女を守り、生かすだろう。例え彼女が望まなくても。しかし、それが彼女の幸せとはイコールじゃない。それは君達の役目だ。アイリスフィール、衛宮切嗣。君達はこれからどうするんだ?」

俺のその問い掛けに切嗣は即答できずに固まった。

「キリツグ…」

彼の側には守るべき妻と子供。しかし、彼の望みは世界の恒久平和。

「俺は…」







それからの話をしよう。

俺やソラはサーヴァントであり、前の世界にも呼び出された以上の愛着は無い。今の状況では帰れなくても特別に問題に成るような事は無いだろう。

凛は助け出した桜の
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