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久遠の神話
第五十三話 十一人目の影その六
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「それじゃあね」
「そうでしょ。その母親が死んだら」
「その人も終わったんだ」
「お金せびる、利用する相手がいなくなって」
 その人にとっては母親もそうした存在だったというのだ。所詮は利用して金を取るだけの相手に過ぎなかったというのだ。
「その叔父さんも死んでそのお葬式でね」
「また何かしたの?」
「普通お葬式の後の食事の上座って遺族の人がいるじゃない」
 葬式の主だからこれは当然だ。
「そうなるでしょ」
「うん、僕もお葬式に何度か出てるし」
 人は必ず死ぬ、上城の周りもそれは同じだ。だから彼にしても葬式には何度か出席してきているのである。
「知ってるよ」
「そこには叔父さんのお姉さんに」
 それにだった。
「叔父さんの娘さん二人がいたけれど」
「その上座に行ったの?その人」
「そうなの、叔父さんのお姉さんが凄く優しい人でね」
 今度の話はここからだった。
「この人にもいつもお金をせびってるっていうかお財布落としたとか言って貰ってて」
「その人に媚売る為にも」
「そうなの、横にいて愛想振りまいていたのよ」
「酷過ぎるね、というかお葬式で平気で上座にいくなんて」
「有り得ないでしょ」
「僕もそう思うよ」
 上城はここでは眉を顰めさせて言った。
「有り得ない位に酷い人だね」
「皆このことにも呆れたわ」
 そうなったというのだ。
「で、白い目で見られてたけれど」
「平気だったんだ」
「零に自分の食べかけのお葬式で出たお弁当勧めたりとか」
「何処までも酷い人だね」
「流石に零も顔を顰めさせて断ったから」
「零君が正しいよ、その人有り得ないまでに酷いから」
「その叔父さんのお姉さん、私の大叔母さんでもある人だけれど」
 その人がどうかというのだ。
「その人だけは優しいからにこにことしてたけれどね」
「周りは呆れてたんだね」
「凄くね」
「で、その人お葬式の後でどうなったの?」
「流石に皆無言の圧力かけてお葬式の後で追い出して」
 そしてだというのだ。
「皆付き合い止めてね」
「お寺に入れたの?」
「その時はもうお寺にいられなくなっていたから」
「もう居場所がなくなったんだ」
「死んだんじゃないかしら」
 話はここに戻った。
「お父さんも零もいなくなってよかったって言ってるわ」
「本当に酷い人だったんだね」
「酷過ぎるわ。いなくなってもいいから」
「そういう人もいるんだね」
「お寺にいればね」
 樹里は少し悲しそうな顔も見せた。
「そこで勉強すれば」
「お坊さんになれたかな」
「何処かのお寺の住職さんにもなれたわ」
「そういう人でもなれるんだ」
「心を入れ替えたらね」
「そいて勉強をしたら」
「なれるわよ、だってそうした人も多いから」
 樹里はこう
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