2-1話
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のか、このわけがわからない状況に中に放り出されてストレスを感じ、オレの頭の中で悪い想像が加速するのが止まらなかった。
―――オレはたまらず走り出した。
「りおんっ! こーちゃんっ! エイケンっ! 皆っ!!」
アテもなく、雨林の中へと駆け出した。
迷路のような林の中をさ迷い、草むらを蹴散らし、誰かを探し求めた。
皆は? エイケンは? こーちゃんは? りおんは!?
誰でもいい。
自分以外に人がいればそれでもよかった。
パニックの衝動に駆られて、休みなく走った。
走りながら声を張り上げていた。
「おおぉぉい! 誰かーーッ!! なんで…誰も………りおん! りおぉんっ!」
応えて…応えてくれよ…ッ!!
声だけでなく、心の中でそう強く念じていた。
怖かった。
何も知らない場所に放り出された事に。
知り合いどころか人すらいないようなこの状況に。
何よりも…未知の世界に放り出されているこの状況でオレはたった一人なのが怖かった。
自分の置かれた状況を理解したくないから…頭より先に、心が受け入れなれないでいた。
…息が絶え絶えになる。
疲れで体が悲鳴に上げて、心臓が爆発しそうだった。
捜索というにはお粗末で、それこそ我武者羅に走って宛もなく走り回って、そして声を出せなくなるほど疲れ果てた。
ペースも考えず、衝動で走り回って体中が疲労困憊になっても、孤独が心を押して足を前に進ませた。
やがて、木の棒を杖代わりにしてでも足を引き摺ったが…とうとう、体は動けなくなった。
「む…無人島、なのか…ここは…!? なんで、なんで誰もいねーんだ…」
汗が全身に吹き出ていて気持ち悪い。
どれだけ走ったのだろうか…マラソンの時でもこれほど長く走ったことはない。
バレー部のトレーニングでも、ここまでにはならないほどにクタクタになっていた。
もう、体力の限界だった。
足は膝から崩れ落ち、前のめりに倒れて草がチクチクと肌を刺す。
人など一人もいなかった。
裂けそうなほど声を張り上げても、木霊すら返事を返さない。
体には乳酸が充満しまくっていて、気力も尽きたため大声を上げる事もできず項垂れた。
「もう歩けねーよ…無理っ、もう無理…! ノドが乾いて死にそうだよ…何かねーのかよ…自販機とか…コンビニとかよぉ…!!」
替わりに出てきたのはありったけの弱音。
泣きたくなった。 ここに布団があれば、頭から被って蹲りたい。
体を丸めて、あまりにも情けないほどにネガティブになる。
何もかも嫌になる。
疲れとストレスが助長して、行き場のない怒りは汚い言葉をはけ口にした。
「く
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