第四十一話 パジャマパーティーその十
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「もう一瞬で決めたんだよ」
「凄いご両親ね」
その話を聞いてだ、琴乃はこう言った。
「度胸が座ってるっていうの?」
「不発弾なんて滅多に爆発しないって言ってな」
それが彼の両親の言葉であり考えだったというのだ。
「不動産屋さんにも快諾したんだよ」
「普通不発弾が一番怖いのに」
「それでもなのね」
景子もこのことには驚きを隠せず言う。
「凄い話ね」
「まだ不発弾あるのよね」
彩夏は美優の話からこのことを問い返した。
「そうよね」
「ああ、そうだよ」
「それでもなのね」
ここに住んでいるというのだ、その不発弾達の上で。
「本当に怖くないのね」
「だから滅多に爆発しないって言ってさ」
それこそ宝くじに当たる様なものだというのだ、この場合は不幸になるとしても。
「決めたんだよ」
「成程ね」
「まあ実際にさ」
美優自身も湯舟の中で話す。
「不発弾っていってもな」
「もう大分前で」
「老巧化もしてて?」
「大丈夫だろ、見つかっても処理したらいいしさ」
爆発の心配も処理の心配もいらないというのだ。
「今更な」
「じゃあこのお部屋でなの」
「美優ちゃんは満足なのね」
「ああ、そうだよ」
その通りだというのだ。
「安いしいい部屋だしな」
「こうしてお風呂も広いし」
「快適なのね」
「幽霊が出てもさ」
例えそうした話があってもだというのだ。
「このお部屋いいぜ」
「そこまで好きなのね」
「このお部屋が」
「ああ、大好きさ」
実際にそうだとだ、美優は四人に答えた。
「ずっといたい位だよ」
「そこまでなのね」
「そこまで気に入ってるのね」
「ああ、本当にさ」
笑顔で言う、そしてだった。
美優は四人にここでこうも言った。
「それでさ」
「それで?」
「それでっていうと?」
「いや、お風呂から出たらあたし今日は特にすることがないしさ」
それでだというのだ、酒が完全に抜けたなら。
「お料理をじっくりしようって思うんだけれどな」
「ああ、お昼ね」
「お昼御飯ね」
「お買い物行ってな」
それでだというのだ。
「ハンバーグでも作ろうかなってさ」
「ハンバーグ?」
「そっちなの」
「お昼は適当だよ」
冷蔵庫の中にあるものか買い物に行ったついでに買ってだというのだ。
「晩御飯だよ、作るのは」
「ハンバーグなのね」
「それ作るのね」
「じっくり時間かけてさ」
そえで作ってだというのだ。
「楽しくやろうってな」
「ふうん、いいんじゃないの?」
「それじゃあね」
「私はお勉強かしら」
里香は優等生らしくそれだと言う。
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