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銀河英雄伝説〜悪夢編
第三十五話 負けたら死ぬ、勝ったら……
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って切り上げた。

俺が思うにこの二人の欠点は二人だけで完結している事だな。互いに相手を必要とし他者を必要としない。この関係が長く続いたせいで二人ともそれを不自然だと感じていない、自然な事だと受け止めている。二人にとっては自分達以外は役に立つか役に立たないかの存在でしかない。

いや少し違うな、これまで周囲には敵しかいなかった。だから打ち解ける事も味方を作る事も出来なかったという事かな。あるいは皇帝の寵姫の弟という事で周囲からは腫れ物の様に扱われたか、敬して遠ざけられたか、どちらにしても面白くは無かっただろう。だから周囲との接触を必要としなかった、そんなところか……。

辺境から戻しておいて正解かな。本人達はそうは思わなくても周囲は俺の義弟、宇宙艦隊司令長官の義弟という事で遠慮するだろうからな。それをあの二人は周りは当てにならないと判断して好き勝手にやり出したはずだ。……寒気がするな、どうなったかと考えると。

艦隊司令官にはさせられない、周囲も艦隊司令官には不向きと見たはずだ。辺境警備も無理だな、当分は総司令部に置いておくか……。しかしまあ使い勝手が悪いな、一度二人を引き離してみるか。そうなれば自然と他者に関心を持つかもしれない。ラインハルトは総司令部に置いてキルヒアイスを何処かに移す……。

何処が良いかな、ラインハルトとの接触を断つならオーディンの外へ出した方が良いだろう。フェザーンの駐在武官か、或いは巡察部隊。……誰かの副官というのも有るか。いやでもその相手に関心を持たざるを得ないし接触せざるを得ない。うん、それが良いかな。ラインハルトは文句を言うだろうが他者に心を開かないと歪なままだ。これまで二人一緒というのが異常だったんだから受け入れさせよう。それで駄目なら……、まあ色々考えるさ、色々な。

オペレーターがオーディンから通信が入ったと声を上げた。スクリーンに映すように命じると表れたのはエーレンベルク軍務尚書だった。難しい顔をしている。挨拶もそこそこに本題に入ってきた。
『ヴァレンシュタイン、反乱軍が動き出そうとしている』
艦橋がざわめいた。やれやれだ、来て欲しい方は来なくて来て欲しくない方が来る。オーディンのクソ爺、嫌がらせばかりしやがる。次に夢で有ったら引っ叩いてやる。年寄りだからって手加減しないぞ。前回はちょっと油断しただけだ。

「出兵は決定なのでしょうか?」
『いや、未だ決まったわけではないらしい。だがフェザーンからの報告ではそういう動きが有るそうだ。シュタインホフ統帥本部総長からもかなりの確度で出兵になるのではないかと報告が来ている』
「……」

弁務官事務所、情報部、ともに同盟が出兵すると報告してきたか。やはり帝国領侵攻作戦で与えたダメージが少なかったな、シトレが慎重だった事が影響している、フリ
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