桜は何度も咲き誇る
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把握能力の拡大は戦意の高揚感を無尽蔵に拡大させてしまうことがあり、パイロットの精神崩壊や暴走を引き起こす危険があった。
「姉様!?やめて!!それを使ったら姉様の体や精神は!!」
「大丈夫です……敵を倒し、家に帰りましょう……ラト」
オウカはまるで聖母のようにラトゥーニに優しく言った。自分は大丈夫だから心配しなでほしかった。
「妹と弟を護ります……弟?私に……いえ、そんな筈はありません……私には、ラトとゼオラ……妹だけ……それじゃあ、あの子は?」
オウカは自分の言ったことに自信がなくなってきた。弟と呟いた時、紫色の髪の毛の男の子がゼオラに色々言われながら、ご飯を何度もおかわりをしてそれを見ながら笑っている自分と自分の後ろから見ているラトゥーニのビジョンが頭の中に思い浮かんできた。
「姉様……完璧に忘れたわけではないのね!……姉様、アラド……アラドを思い出して!!」
アラドと聞いた瞬間オウカは頭の中に今までの記憶の映像が出てきた。
「私は……私……何で、あの子の……あ……アラドを……私は……私は……私は!!私に弟などいない!!」
心は正しいと判断しても頭が否定してしまい、自分ではどうにもならなかった。
「ふん、悲しい人形だ……俺がその糸を切ってやろう」
向かってくるオウカに対しアクセルはアラドとの約束を果たすべく、ラピサージュの腕を掴み握り動けなくする。
「オウカ・ナギサ!貴様はアラドを、弟を思い出さなくてもいいのか!!」
アクセルはオウカの心のどこかでアラドを覚えている可能性に賭けた。
「私に弟など!」
「姉様……いつも三人前は食べて、ゼオラに毎日のように怒られて、私より、操縦へたなくせに私たちを護ろうとしてくれた……アラドを忘れちゃったの!?」
ラトゥーニはスクールでの辛いことが多かったが、彼等と過ごしたことは辛くなく、楽しかった日々をオウカに向かって叫んだ。
「ラト!?……私が……私がアラドを忘れる……ことなどありません……うわぁあぁぁあ!私は、あの子を護るから、取り戻すから、セトメ博士やめて!!私たちにはあの子が必要なの!」
オウカはそう呟くと頭の中に忘れてしまった記憶が一気に来たのか、悲鳴を上げると気を失ってしまった。
「ゼオラ……お前が俺のこと忘れても、俺はお前との約束を守らなくちゃ行けならねーんだ!」
アラドはビルトファルケンからのビームを避けながら叫んでいた。
「わけのわからないことを!!」
ゼオラは何度も攻撃していくと、流石にアラドもいつも調子でゼオラに叫んだ。
「ああ!!もうその胸並に頭も柔らかくなれよ!!」
「また胸のことを言って!!アラド!!」
ゼオラもいつものようにアラドに対して叫んでしまった。そしてゼオラは気が付いた。何故連邦の、しかもラトをさらった元凶に
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