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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十五話:ラインハット城地下通路
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迎え入れます。

「只今戻りました」
「お帰り、ピエール!……兜、被ってるんだ。髪は?乾かそうか!?」
「お心遣い、忝ない。しかし心配ご無用。よく拭いた後に軽く振れば、直ぐに乾きますゆえに。もう、乾いてござります」

 ええ!?
 なに、その便利機能!
 ドライヤーとか、完全に不用なの?
 乾かすついでに頭ナデナデとか、そんな役得は有り得ない話なの!?

「そ、そっか。……もう、寝るよね?寝る時も、兜は被ってるの?」
「無論。睡眠中こそ、最も無防備になる時にござりますれば。スライムナイトたるもの、装備を整えた状態で眠りに就けるよう、当然に訓練されております」
「そ……そうなんだ……。すごいね……」
「なんの、これしき。人間はそのような体の作りにはなって居らぬと聞き及んでおりますゆえ、ドーラ様もヘンリー殿も、どうかお気遣い無きよう」
「う、うん……。じゃあ、私、もう寝るね……。おやすみ、ピエール、ヘンリー」
「は。おやすみなさいませ、ドーラ様」
「ドーラ……お前……。まあいい、おやすみ」

 ヘンリーが、すっかり残念なものを見る目でこちらを見てますが。

 そんなことより、あわよくば頭ナデナデとか、寝顔を堪能とか、できるかと思ってたのに!
 そんな上手くはいかないだろうと、心のどこかで思ってもいたけれども!

 ……はー。
 まあ、いいや。
 どうせ無理だって、わかってた、うんわかってた。本当は。

 明日はマリアさんに会えるだろうことを楽しみに、今日はもう寝よう。そうしよう。



 そんなこんなで、失意と期待のもとに眠りに落ちた、翌朝。

 起きたら、一人でした。
 ヘンリーもピエールもスラリンも、誰もいなかった。

 ……あれ?
 昨夜は過保護にも常に誰かが付いてたのに、朝はいいの?
 まあ、いいけど。

 と、思ってると。

「ドーラ様。お目覚めですか?」

 扉の外から、声がかかりました。

「ピエール。おはよう。……なんで、外にいるの?」

 気配で、私が起きたのを察したらしいのはわかるが。

「おはようございます、ドーラ様。ヘンリー殿とスラリン殿が、お出掛けになりましたゆえ。スラ風号が居るとは言え、お休み中の(にょ)(にん)が居られる部屋に、一人居座るわけにも。さりとてドーラ様をお一人にする訳にも参らず、見張りに立って居りました」

 そんな、気を使わなくてもいいのに。
 ていうか、一時は二人部屋になる案も無かったっけ?
 それは、それなの?

 ……まあ、元々は同室になること自体に葛藤してたしな。
 一晩外にいたわけでも無いんだから、それで気が済むなら、別にいいか。

「ありがとう。着替えるから、もう少し外にいてくれる?」
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