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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十四話:ピエールの素顔
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でもそれなら、良かったの?種族を裏切って、私に着いてきちゃって」

 邪悪な意思やらの強制力で、無理矢理従わせられてたわけじゃ無いのなら。
 私に着いてきたのも種族を裏切ったのも、完全に自分の意志ということになるけど。
 大丈夫なんだろうか、それ。
 家族とか、気持ちの問題とか、色々と。

「はい。スライムナイトとして生を受けた以上、自らがそうと定めた主に仕えることこそ誇りであり、生きる意味にござります。最初に仕える主は魔の王と、暗黙のうちに決まっておりますが。それぞれに真なる主に出会い一族を離れるのも、多いとまでは言えずとも、珍しいことではありませぬ」

 無いことでは無いのか。
 なら大丈夫、なのか?

 ……まあ、ピエールが決めたことだし。
 そこの判断については、私が口を出す問題では無いか。
 私が決めるのは、ピエールが決めたことを受け入れるかどうかだけで。
 それはもう、決めたんだから。

「そっか。ありがとうね。私を選んで、着いてきてくれて。たぶん、ピエールが思ってる以上に大変なことになると思うけど。改めて、よろしくね」

 その魔王とやらとも、はっきり戦うことになると思うんですけど。
 そこまではさすがに、言えないが。

「こちらこそ。心に決めた主に受け入れて頂けることこそ、望外の幸せにござりますれば。どこまでもお供し、お仕え致す所存です」
「ありがとう」

 私がこの先、何を選んでも、どうなっても。
 全てを明かせる日はきっと来なくても、それでもきっと、ピエールは一緒にいてくれるんだ。

 ありがとうなんて言葉だけで、言い尽くせることじゃないけど。
 それでも、感謝の気持ちはいつも忘れないようにしよう。


 ……と、それはさておき。
 ピエールが仲間になってから、ずっと気になってることが。

「ところでさ。兜。……脱がないの?」

 正直、顔が気になって仕方ないんですが。
 別に仲間に顔面レベルとか求めないけどさ、気になるじゃない!
 どんな顔してるのか!
 人間に近いのか、人外寄りなのか!

「スライムナイトたるもの、常に有事に備えるのが当然にござりますれば。入浴時などの止むを得ぬ場合を除き、常に武器防具は身に纏うよう習慣付けられております」

 食事の時も、外さなかったんですよね。
 口元だけ部分的に外せるようになってて、それは人間ぽかったんですけど。

「そっか。……脱いだら、ダメなの?」
「駄目、と申しますか。落ち着かぬと言うか、必要が無いと」
「ダメじゃないんだ。……ちょっと、脱いでみない?」
「は。何故に、そのような」
「いや、ただ、ちょっと。見たいなって」
「見たい?……と、申されますと」
「だから。ピエールの、顔を。……
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