魔法先生ネギま!
0406話
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てないからと言って尻尾を巻いて逃げるような真似が出来る筈もないだろう。……行くぞっ! こうなったら意地でも一矢を報いてみせる」
瞬動を使い、こちらへと向かって獅子の獣人族特有のしなやかな筋力を使った一撃を放ってくるスカーラ。その一撃を回避し、いなし、防ぎ。そしてその隙を突くかのようにして放った俺の拳がスカーラの肋を砕き、防御しようとした腕の骨を砕き、ローキックをまともに受けた太股の骨が砕ける。
「ぐ……さすがだ……」
さすがに太股の骨を砕かれては立っている事も出来ずに地面へと倒れこみながらも満足気にそれだけ呟き、スカーラは気を失う。 武闘都市を代表してきただけの事はあるな。強さはともかく、その誇りはそれに相応しいものだった。
『気絶、キーネーシス選手、スカーラ選手の両選手気絶です! ナギ・スプリングフィールド杯予選Aブロック第3試合の勝者はアクセル選手です!』
司会の宣言と共に、観客席からこれまでにない歓声が聞こえてくる。
『1人で出場するという、前代未聞の行動をしながら本戦まで勝ち上がってきたアクセル選手。その実力は伊達やハッタリでない事を我々の前で見事に証明してくれました』
そんな言葉を聞きながら、観客達へと手を振って選手用の出入り口である西の門から選手控え室へと続く廊下へと出る。
「お疲れ様でした」
そしてそんな俺を待ち受けていたのはマネージャーでもあるリュボースだ。
その顔には珍しく満足そうな笑顔が浮かんでいる。
キズクモ代表の拳闘士である俺が圧倒的な強さで勝ちを収めた事が余程嬉しいのだろう。尚ここで勘違いしてはいけないのは、リュボースにとって重要なのはキズクモであるという事だ。ようは俺じゃなくてキズクモの方にアクセントが置かれていると言えばいいんだろうが。……いや、ニュアンス的にちょっとおかしいか?
「と言うか、街の代表を決める予選をクリアして本戦出場かと思えば、まさかここでもまた予選を行うとは思わなかったな」
「しょうがありません。何しろ魔法世界中が注目している大会ですから。……そう言えば知り合いからちょっと噂を聞いたんですが、アクセルさんの他にも1人でこの大会に出場している選手がいるそうですよ?」
「へぇ? 俺の他にもそんな物好きがねぇ……ちなみに、どんな奴だ?」
「確か名前は……カゲタロウとか言っていたと思います。予選Dブロックに参加予定ですので、気になるのなら見に行ってみては?」
「ああ、機会があったらそうさせてもらうよ」
……本当に、タッグ戦前提のこの大会に俺以外でもソロで出るような物好きがいるとはな。どうせならそのまま予選を勝ち抜いて本戦で戦ってみたいものだが……
にしても、カゲタロウとか。これで操影術の使い手だったりしたら名前そのままだな
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