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大人の階段登る君はビアンカ……
心からの安息、押し寄せる不安
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イディオタはあからさまに、私の怒りに怯んでいる。
「な、何だよ! 何時までも死んだガキの事を妄想しているイタイ女に、同情で告白してやったんだろ! ふん、そうやって何時までも男を遠ざけてろ……○○○に蜘蛛の巣が張って、誰も相手にしてくれなくなっても、もう俺は知らねーよ! オ、俺はサラボナに行って大物になるんだ。あん時、俺の女になっとけば良かったと後悔したって遅いんだからな!」
イディオタは火傷した顔を押さえ、泣きながら私に対し喚き散らす。

「あ゛!? うるさいわね……何処の誰だか分からなくなるくらい、黒こげの死体にしてやりましょうか……あぁ?」
両手に灯したメラミの威力を強めて、奴に対して睨みを効かす。

「今すぐここから失せろ! 村にでも、サラボナにでも、どっちでも良いからこの場から失せろ! 私はお前みたいなバカの相手をしている程、暇人じゃないのよ!」
私は言い終わるより早く、1歩踏みだし威嚇する。

「く、くそー! い、一生男と縁遠く生きていろバ〜カ! この行かず後家!」
イディオタは知能の低そうな捨て台詞を吐いて、泣きながら村の方角へと逃げていった。
いっそモンスターに襲われて、そのままくたばれば良いのに…



そして私は1人きりになった……
放水の見える岩に腰掛け、自分の膝を抱き抱え涙する。
リュカは死んでない…リュカは必ず生きている……
その事が、私の心の支えなのだ。

あの馬鹿(イディオタ)は、私の事を『何時までも死んだガキの事を妄想しているイタイ女』と罵った……
でも私は……世界中で私だけは、リュカの無事を信じなければならない。
リュカの死体をこの目で見るまでは、私だけは信じ続けなければならないのだ。

私はリュカが大好きだから…
リュカの事を愛しているから…




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