決着
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はある人物を照らし合わせていた。
……ああ、やはり鳴雨。貴様はあの人に良く似ている。
思い浮かんだのは自らが敬愛する教官、織斑千冬。
「悩んで悩んでそれで自分がどうすればいいかを決めろ。いつまでも人に頼ってたら変われるもんも変われねーよ」
「ああ、助言感謝する」
「おう」
ラウラはまた黙り、響の背中に身を任せる。しかしその顔には嬉しそうな笑みが生まれていた。同時にラウラの中では完全に響と千冬が一緒の扱いになった瞬間でもあった。
響たちはそのまま寮へと戻っていった。
因みに寮に戻りラウラをおぶったままの響を見たセシリアとシャルロットが響に詰め寄ったのは言うまでもなかった。
そして翌日。
いつものようにセシリアたちと登校した響はHRまで軽く仮眠をとることにした。
……昨日やりすぎたなー。超疲れた。
机に突っ伏しつつ響が思っているとふと誰かが肩を叩いた。
「なんか用か……ってボーデヴィッヒじゃねぇか」
「そ、そのかなりいいづらいことなのだが。響!」
……響? あれ昨日まで名字か貴様だったのにいきなり名前? あれなんかデジャヴ?
響の中でいやな予感が駆け巡っていた。
しかし、ラウラから出てきた言葉はそれをさらに斜め上に行くものだった。
「わ、私を! お、お前の……! い……い……」
「い?」
……い? ってなんだおい新しいパターンか?
「い、妹にしてくれ!!!!」
その瞬間教室の空気が固まった。あるものは目を見開き、またあるものはなぜかペンとメモ帳を取り出し、またあるものは黒いオーラを放出し、またまたあるものは笑顔ではあるが異様な威圧感を放っていた。
そして沈黙のあと襲ったのは教室中の女子からの驚きの絶叫だった。
「どうしてそうなった!!??」
「い、いや。悩んだ結果私が一番なりたいのは妹なのだと……」
「だからどうやったらそんな考えに至ったんだよ!?」
女子達の絶叫を無視し、響がラウラに問うがラウラは顔を赤らめながら上目使いに響を見つめる。
そのラウラの行動に撃沈した女生徒もいたようだが、今の響はそんなことどうでもよかった。
……コイツは、考え方が一直線すぎて柔軟に考えることができねぇのか。
前髪をかきあげながら響は大きく溜息をついた。だがそこへ、
「騒ぐのであればそう少し静かに騒げ馬鹿者共が」
前の扉から千冬が出席簿を片手にやってきた。それに反応した皆が自分の席に着くが、ラウラだけは未だに響の前にいた。
「おい、ボーデヴィッヒ。自分の席にもどれ」
「わかりました教官! あと教官に言っておきたいことが!」
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