決着
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いか」
「ん? お前の攻撃じゃねぇよ、ただちょいと疲れただけだ。気にすんな」
響はケタケタと笑っていた。まるでラウラがしたことを気にもかけていないかのように。
「しかし……私が貴様や貴様の仲間を傷つけたのは事実だ。それはすまなかった」
「私は別に気にしちゃいないが……そうだな。謝るんなら直接ソイツのところに言った方が好感度はアップするぜ?」
「そういうものなのだろうか?」
「そういうもんさ、っとそろそろ帰るか。お前はどうする? 寮に戻るか?」
「あ、ああ。私も戻る……ひゃっ!?」
ラウラがベッドから降りようとした瞬間、彼女はバランスを崩し転びそうになった。
しかし、
「おっと、大丈夫かよ?」
転びそうになったラウラを響は優しく受け止める。
「あ、ああすまない。すぐに……ん?」
すぐに自力で立ち上がろうとしたラウラだがまたふらついてしまう。それを見た響はラウラに問うた。
「もしかして立てないのか?」
「……」
響の問いに無言で頷くラウラに対し彼女は大きく吹き出すと笑い始めた。
「な、何が可笑しい!!」
顔を真っ赤にしながら抗議するラウラに響は一生懸命笑いをこらえつつ、
「ひーひー……、いやーこれがさっきまで戦ってたやつだと思うともうおっかしくっておっかしくって……」
「ぐぬ……」
大爆笑する響にラウラは睨みを飛ばした。すると、
「あー……んん!! わるいわるい。ほれ」
軽く咳払いした響はラウラに背を向ける。
「?」
「なにやってんだおぶってやるから乗れよ」
「な、何を言っている! そんな恥ずかしいことが!」
「あーはいはい。わかったわかった」
言うと響は半ば強制的にラウラをおぶった。
「お、おい!! 降ろせ!!」
「うるせぇ。けが人なんだからおぶられてりゃいいんだよ。つーかそろそろ学校閉まるし早く帰るぞー」
ラウラの意見は聞かず、響はそのままドアに手をかけ保健室を後にした。
保健室から出た響とラウラはそのまま寮への道を歩いていた。
ラウラはというと現在は借りてきた猫のようにおとなしくなり、響の背中に静かに身を任せている。
校内は今日のにぎやかさが嘘のように静まり返っていた。すでに生徒も全員寮に戻ったのだろう。
ふとラウラが響に声をかけた。
「その、鳴雨……。貴様に聞きたいことがあるのだがいいだろうか?」
「なんだ?」
「私はこれからどうすればいいのだろうな……」
「んなこと私が知るか。テメェで悩んで見つけろそんぐらい」
「……! そう、だな」
響の突き放したような返答にラウラ
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