決着
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。まだエネルギーは半分以上残ってるしな」
「……わかった。一夏。ここは戻ろう」
「……ああ。だけど響! 苦しくなったら言えよ!!」
二人は渋々といった様子で頷くと、そのままピットに戻っていった。
二人が戻ったのを確認すると響はラウラを飲み込んだ黒いモノに向き合う。黒いモノ人型をかたどってはいるものの、完全にラウラを飲み込んでおり彼女の姿はまったく見えない。
「さてどうしたもんか……実際発動したのはボーデヴィッヒだからアイツをアレから引きずりだしゃあなんとかんるんだろうが」
一人悩んでいると黒いモノは一気に距離を詰め、手に持っている剣で響のいるところを一閃した。
「あっぶね……割といい動きしてやがる」
一太刀を後ろに下がり避けた響は苦笑いを浮かべる。
しかし黒いモノは響を追尾し、斬撃を重ねてくる。その動きたるやまるで歴戦の勇士のようだった。
「でも妙に機械的なんだよなぁ……この前のあれと比べると良く動く方だけど」
斬撃の嵐を避けつつ響は一人ごちる。すると突然ISのオープンチャネルが開く、しかし画面にはUNKNOWNの文字が並んでいる。
……アンノウン? 誰だ?
響は疑問に思いつつも回線をひらく、すると威勢の良い声が聞こえてきた。
『やっほー!! びっきー久しぶりー束さんだよーん♪』
聞こえてきたのは響に妙なあだ名と、夜天月を与えた篠ノ之束の声だった。同時にUNKNOWNの表記が変わり、束が映し出される。すると響はいたって冷静な声音で告げた。
「人違いだ」
『ああんもう待ってってばー!! びっきーのいけずー! 苦戦してるみたいだから助けてあげようと思ったのにー!』
「苦戦はしてねぇ、悩んでるだけだ」
『ふーん。私の助けを借りればあの子助けられるよ?』
「助ける? どういうことだ?」
束の言葉に響は疑問の声を上げた。
『アレあのままにするとあの子死ぬよー? まぁ私はどうでもいいけど』
「っ……。詳しく教えろ」
響は軽く舌打ちしながらも、束に聞いた。すると束はにこやかになり解説していった。
『あの子が使ったのはVTシステムって言ってね。正式名はヴァルキリー・トレース・システムって言うんだけどね。びっきーはヴァルキリーって何か知ってる?』
「確かモンド・グロッソの部門受賞者のことだったか?」
『ピンポピンポーン! どわいせいかーい! まぁそのヴァルキリーの動きをトレース、ようはコピーする機能でね? 今は条約でどの国や組織、企業も研究、開発、使用が禁止されてるんだけどねー。どうやらどっかのバカが仕組んだみたいだねー。まぁ束さんからすればあんなブッサイクなシロモノ使うやつの気が知れないけど
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