決着
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声のした後方を振り向くが既に遅かった。
振り向いた直後ラウラにまたも拳が叩き込まれた。しかも今度は先ほどの比ではなく相手を倒すための拳だった。
あまりの強さにラウラは今度は後ろに大きく吹き飛ばされ、ISごと中に放り出された。
「そらそらぁ!! まだまだいく……ぞ!!」
「がはっ!!」
ブースターをふかし、光速でラウラに詰め寄る響はさらに彼女の横腹に蹴りを放つ。
そこからは圧倒的な蹂躙が始まった。
吹き飛ばされたラウラを光速で追尾した響が追撃を叩き込む。まるで先日やられたセシリアと立場が逆になっているようだった。
だがやがて『シュヴァルツェア・レーゲン』に強制解除の兆候である紫電が走り始めると、響は攻撃を止めた。
「なぁボーデヴィッヒよぉ。いい加減あきらめたらどうだ? もうお前もわかってるだろ? 私には勝てないって」
だがその瞬間、ラウラと彼女の機体に異変が起こった。
(私は……負けるのか? こんなところで標的であるあの男と戦わぬままこんな誰かもわからぬ女に)
ラウラは掠れる意識の中で問うていた。
(私に敗北など許されない! 力が欲しい。ヤツラを叩き伏せるだけの絶対の力が!!)
すると何かが彼女の中で胎動した。
そして中から黒くドロドロとしたナニカがあふれ出すと、頭の中で声が響く。
『――願うか……? 汝自らの変革を望むか……? より強い力を欲するか……?』
(私は望む、絶対普遍なその力を。 唯一無二の力を私によこせ!!!!)
声に導かれるようにラウラが答えると、彼女の心は黒いナニカに染められた。
「あああああああっ!!!!!!」
悲痛とも呼べるラウラの絶叫が響き、『シュヴァルツェア・レーゲン』からも電流が迸った。
途端、ラウラの『シュヴァルツェア・レーゲン』姿を変えようとしていた。装甲をかたどっていた線がぐにゃりと曲がったかと思うと、ドロドロとしたものがラウラの体を飲み込んでいく。
「なーんかやばそうだな……」
響は呟くと一旦ラウラから距離を置いた。
すると別の場所で戦っていたはずの一夏と箒が彼女の元にやってきた。
「響! どうなってんだあれ!!」
「私が知るか。突然ああなったんだよ、でもいやな予感がすることは変わりねぇ。一夏、お前は篠ノ之つれてピットにもどれ」
「なに言ってんだ! 俺も一緒に戦う!」
「私もだ! 足手まといにはならん!!」
反論する二人に対し響はあきれ声で、
「見たところテメーら相当ダメージ行ってるだろ。結構マジでやりあってたもんな」
「そ、それは……でも響だって!」
「私は心配いらねーよ
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