決着
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な、もしかしたらこっから私の大逆転が始まるかも知れないぜ?」
笑みを浮かべながら言う響にラウラは笑い始めた。
「ハハハ! この状況でまだそんな戯言がほざけるとはな、そこだけは認めてやってもいい……だが!!」
リボルバーカノンに弾丸が装填されそれが打ち出され響に直撃する。
「が……!」
「貴様はここで終わりだ」
ラウラはさらにリボルバーの弾丸を打ち続ける。
ISのシールドがあるとは言えど至近距離での衝撃は生身にも相当なダメージを生む。
『響!!』
ISのオープンチャネルで一夏が声を上げるが、響は無言のまま首を横に振る。そして声には出さず口だけ動かし一夏に伝えた。
『くるな』
と。
だがその間にも弾丸が撃ちだされる。
しかしそれでも響の笑みは変わらない。
その様子に気付いたラウラが不信に思ったのか攻撃の手を休め響に問うた。
「どうした? おかしくなったのか?」
「……いや。久しぶりだと思ってよこの感覚がさ――」
「久しぶりだと?」
疑問を浮かべるラウラに響は顔を上げながら言い放つ。
「――こんな風に自分にダメージが来るようなこの感覚がなぁ!!!!」
瞬間、ラウラの全身に戦慄が走る。
……な、なんなのだコイツは! この絶望的な状況で何故笑っていられる? 何故あきらめない?
ラウラの中で響に対しある感情が芽生えた。それは恐怖だ。得体の知れない敵を前にし、ラウラは恐怖に駆られていた。
しかしその雑念が入ったせいでAICに綻びが生まれたのを響は見逃さなかった。
「オラァ!!!!」
「ぐぅ!?」
動くようになった右腕で響はラウラを殴りつけた。
まったく予想ができなかった攻撃にラウラは反応することができず、彼女は後退させられた。
「あー……やっと動いた。だけどいい収獲もあったぜ」
首をゴキゴキとならしながら響はラウラを見やる。
「なに……?」
「どうやらお前のそのAICってヤツはかなりの集中力を使うみてぇだな。その証拠に今はまったく作動していない。それはお前が集中できるような心理状態じゃねぇってわけだ」
「……」
「怖くなったか? この私が」
「!」
その問いにラウラは体をこわばらせる。なにせ本当のことを言われてしまったのだ、体がビクついてしまうのもしょうがないだろう。
「図星だな。その反応はもう何度も見てきたぜ」
「だから……何だと言うのだ。AICがなくとも貴様など――!」
ラウラは叫びながらリボルバーカノンを響に向けるが、既に響の姿はそこにはなかった。
「――貴様などなんだって?」
「!?」
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