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弱者の足掻き
八話 「補殺」
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いる少年が不満を口にする。
 それに続くように周りも口を出す。

「イツキくん見つけるの上手だよね」
「ズルしてんじゃねーの? 次何するー」
「逃げる側だと掴まんねーし。年上なのに大人気ねーぞばーか」
「ならもっと上手く隠れろ。後周りと協力しろ」
 
 近所に住んでいる女子男子が色々言う。
 まあ、身体の力とか差が有るし、しょうがないのだが。
 一応これでも手は抜いたのだがしょうがない事だ。
 そう思っていると最初に発言した黒髪短髪の少年、カジが立ち上がる。

「……そういやさ、今日は白いねーけどどうしたんだよ?」
「用事があるからそっち行ってる。何だ、気に何のか? お?」
「ちげーし! アイツいねーとお前が一人勝ちして気にくわねーだけだよ! べ、別にアイツなんか気になってねーし、むしろどうだっいいし嫌いだし! お前何ふざけたこと言ってんの? バーカ!」

 青いなー。
 つい生暖かい目で見てしまう。
 年頃の子供ってこんなもんだよね。確信突かれたら逆ギレして、でもって言われてもないのにその相手を馬鹿にする。暴言を言われたが「ハハ、こやつめ」な感じで怒る気にもなれない。
 白は綺麗だしこんな風な思いを抱く奴が出ても不思議ではない。むしろ当然と言える。非常に微笑ましくなってくる。

(まあ、邪魔するがな)

 絶対に成就させないしさせる気もない。全力で阻んでやる。
 初恋は実らないものなのだよカジ少年。人の命綱に手出すな。
 まあ、白が他の人間に靡く事なんて無いと思うので大丈夫だと思うし、数年後にはアレする予定だから平気だろうが。
 
「イツキが一人勝ちできないのやろーぜ。負けさせよーぜ」
「お洋服汚れちゃうから、私はさっきのはもういいかな」
「おーい次何やんだよカジ?」
(その歳から集団戦かハリマ。いい考えだ)

 勝てなかったら皆でボコる。大切だよね。

 カジが口々に意見を言われそちらを向く。

「お、おうそうだなナツオ。じゃあ次は????」


 そのまま暫くの間、俺達は遊び続けた。






「あー、疲れた」

 一通り遊び終わり街中を歩く。白と落ち合う予定なのだ。
 視界の先、白が目に入り白もこちらに気づく。

「そっちはどうだった」
「いつも通りです。特に不審に思われてはいません」
「そりゃ良かった」

 白は少し前から針灸の婆さんの所に通いその技術と知識を教えて貰っている。
 原作で千本を使い再不斬を仮死状態にしたことから俺が勧めたのだ。
 調べてみれば針は麻酔の代わりにもなるし筋肉の緊張の制御や原作から言えば仮死状態にも出来る。
 単純に知識だけだったら本を読めばいい話だが、それでは知識だけになってしまう。原作の様な環境が無
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