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弱者の足掻き
八話 「補殺」
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ほど地面を転がった際、砂を握っていたのだ。ついでに自前の胡椒もブレンドしてある。白の前を腕が通り過ぎた時、手を開いただけだ。

「ぁグッ!? ゴホッ! うぐ……ケフッ、カフ、ゴホッ……っ!」

 白が苦しそうに咳を繰り返す。
 なまじ技量が有るからとギリギリの距離で避けようとするからだバカめ。そうでなければくらわなかっただろうに。
 目に入った砂の性で目が開けられないだろうが知ったことか。近づくと同時に地面の土を白に向け蹴り飛ばす。
 鈍い音と共に飛び散った土が白に当たる。砂も交じっているから無理に目を開けようとすればもう一度目つぶしだ。
 その隙に後ろに回って白を蹴り飛ばす。
 だが意外とやるもので、吹っ飛びながらもすぐさま立ち上がり木を背にする。
 まだ、目は開いていない。腕は胴体を守っている

(木を背中にして後ろから蹴られない様に、か。学習早いな。俺だったらサッカーボールになってるかも)

 だが許さん。
 もう一度地面を蹴って土を飛ばす。今度はさっきよりも力を入れて。
 それと同時に全力で地を蹴り、宙に舞って白が背にしている木に跳ぶ。
 出来る限り振動を立てず、音も飛ばされる土砂に混じって気付かれない様に注意を払って木の側面に着地する。
 チャクラの吸着である。一年以上やっているのだ、この程度は楽勝だ。
 だが、いくら気を付けたとはいえ音は消しきれていない。時間を掛けてはばれる。その前にさっさとしなくては。

 左手に握っていた、右と同じく転がった際にいくつか拾っていた小石を白の頭の上に落とす。そしてすぐさま大きめの二つの石を全く見当違いの方に飛ばす。
 小石が白の頭に当たり、一瞬遅れて少し離れた草むらと近くの木の幹に当たって音を出す。
 そして俺は吸着を止め、白に向けて飛び降りる。
 混乱していたらしい白は俺に気づかない。そのまま俺は白に上から圧し掛かる。今更になって気付いても遅い遅い。
 白の首に腕を回し、気道を圧迫しつつうつ伏せにして覆いかぶさる。暴れる足に自分の足をからませる。これならもう無理だろう。
 胡椒をくらった挙句、気道を抑えられた白が苦しそうな呼吸をする。
 
「ガハッ、グッ……う、クフッ、カァ……っぁ!」
「はい、終わり」

 卑怯? いいえ戦法です。





「目は大丈夫か?」
「まだ、少し残っているみたいです。……???っいた」
「ほら、水筒。目洗え」
「すみません……」

 白が水で目を洗う。

「さっきみたいな目つぶしとかもあるから、そういった事も想定しとけ。技量的には白の方が俺より上だけど、ああいった方法で潰されることもあるから」
「はい。……っつ」
「汚い気もするけど、負けたら終わりだ。俺みたいに弱い奴は何だってやる……とい
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