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八条学園怪異譚
第四十二話 百物語その二

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「お付き合いがありますから」
「ですから」
「そうですね、つまり泉を見つけても」
 目的のそれを果たしてもだというのだ。
「お二人は私達との交流を続けるのですね」
「交流っていうと大袈裟というか厳しいですけれど」
「お友達であり続けたいです」
 二人はろく子に答えた。
「折角お知り合いになれましたし」
「これからも」
 こう話すのだった、ろく子も二人のその言葉を聞いて笑顔でこう言った。
「嬉しいですね、私達もです」
「私達と友達であり続けたいんですね」
「そう考えておられるんですね」
「はい、是非」
 知的な美しあのある顔をにこりとさせての言葉だ。
「友達は一人より二人」
「多い方がいいですね」
「そういうことですね」
「そうです、ですから」
 それ故にだというのだ。
「これからも宜しく御願いしますね」
「こちらこそ」
「御願いします」
 こう応える二人だった、そうした話をしながらだった。
 二人はその百物語の本を三冊借りた、その貸出手続きをする時に図書委員の二年の先輩、女子のその人にこう言われた。
「一緒の本だけれど?」
「はい、それでもです」
「借りたいです」
「回し読みしてやるの?」
 百物語をだというのだ、先輩もそのことがわかっていた。
「そうなの?」
「まあそれは」
「何といいますか」
「あの話は知ってるけれど」
 やはり知っていた、言葉にはっきりと出た。
「注意してね」
「注意しないとですか」
「駄目ですか」
「そう、何が出て来てもね」
 百物語を終えたその最後にだというのだ。
「驚かない、それで怖がらないことよ」
「先輩ひょっとして」
「百物語を」
 したことがあるのではとだ、二人はその先輩に問うた。、見れば黒いロングヘアで目の大きい綺麗な人だ、アイロンまでかけた青の制服で受付の席に座る姿が実にいい。
 その先輩がだ、こう言うのだ。
「したことはないけれどね」
「それでもですか」
「聞いてるからね」
 それでだとだ、先輩は聖花の問いに答えた。
「だからね」
「何が出て来てもですか」
 今度は愛実が言う。
「そうですね」
「例え最高レベルの呪文で時たましか出ない何かが出て来てもね」
 某大ヒットRPGシリーズのことである、この存在は何者かは今も尚明らかにはされていない。
「驚かないでね」
「はい、じゃあ」
「心構えはしておきます」
 二人は先輩の言葉に応えた、そしてだった。
 ろく子と共に図書館を後にしてそのうえで早速だった。
 その日の夜から茉莉也と三人で夜の高等部の茶室に忍び込んでそのうえでだった、百物語をそれぞれ黙読しはじめた。
 その中でだ、聖花が愛実に言った。
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