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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十三話:ラインハットの宿で
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大丈夫だ」
「……そう」

 やはり、気を削がれてしまったか。
 まあ、本当に言いたいことなら、そのうちまた言い出すよね。

「じゃあ、鍵開けてくるから。離れるよ」
「……ああ」

 私が腕を離してヘンリーの胸を押すと、ヘンリーも渋々といった様子で腕を離します。

 ……うう、そんな捨てられた犬みたいな目で見るなよ。
 私が、悪いことしてるみたいじゃないか。

「ドーラ様?ヘンリー殿」
「ごめん、今開ける」

 なぜか後ろめたいような気になりながらもヘンリーの膝から下りて扉に向かい、鍵を開けて扉も開きます。

「お帰り、ピエール。遅かったね」

 タイミングとしては、むしろ早かったというところですが。
 十分に離れてから追う、というだけの話にしては、やっぱり遅かったような。

彼奴(きゃつ)めが、しつこくドーラ様に未練を見せおったもので。二度と近付こうという気にならぬよう、処置して参りました」
「そ、そうなんだ。ありがとう、ピエール」
「なんの、これしき。臣下として、当然の務めにござりますれば」

 処置って。処置、って。
 その作業的響きに、一体どれ程の恐怖が集約されているのか。

 ……良かった、処置、される側じゃなくて!
 味方である限り、なんて頼もしい!
 これで今夜は、ストーキングの恐怖に怯えなくてもいいんだもんね!

「それじゃあ、もういい時間だし。ご飯食べに行こうか。スラリン、起きてー。ご飯、行くよー」
「……ピキー……」


 スラリンを起こし、揃って宿の食堂に下りて、夕食を済ませ。
 部屋に戻って、またいつものようにお風呂に向かいますが。

「……全員、着いてくるの?」
「別に俺は、一人でもいいんだが」
「臣下として、他の者に任せきりにするなどとんでもない!むしろ拙者が一人で」
「わかったからやめて。……スラリンも?見張るの?」
『スラリン!みはる!まもる!』
「……二人も、いるんだから。スラリンは、私と一緒に入ってもいいんじゃない?」
「それはダメだ」
「スラリン殿も、(おのこ)にござりますゆえ。如何に間違いは起こり得ぬと言えども、ケジメは必要かと」
『スラリン!まもる!』

 え、ホントにオスなの?スラリン。
 でもいいじゃん、別に。
 ピエールと違って、明らかに無理な種族なんだからさ。
 人間同士だって、異性でも子供なら一緒に入ったり、するんだからさ?

「……どうしても……ダメ……?」

 楽しみにしてたのに……。
 まさか、一回も一緒に入れないだなんて……!

「……くっ!そんな顔したって、ダメなもんはダメだ!」
「……ドーラ様。あまりそのようなお顔を、(おのこ)の前でなさりませぬよう」
『スラリン
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